『Battlefield V』変更したばかりの「キルタイム」を調整前に戻す。新規プレイヤーを取り込み、ベテランも満足させる模索続く
『Battlefield V』の開発元DICEは12月18日、本作向けに本日配信するアップデートにて、TTK(Time To Kill)の値をローンチ時のものに戻すことをRedditにて明らかにした。TTKとは、ゲーム内でほかのプレイヤーを殺すまでにかかる時間のことで、キルタイムとも呼ばれる。逆に、自分がほかのプレイヤーに殺されるまでにかかる時間を表す、TTD(Time to Death、デスタイム)という指標もある。DICEは先週、TTKの値の調整を目的としたアップデートをコミュニティに告知し、実装したばかりだった。
DICEによると、本作の発売以来、より多くの議論が交わされていた話題のひとつはTTKおよびTTDだったという。その中で多く聞かれる意見としては、現状(変更前)のTTKはちょうど良いというものがあり、TTDに関しては短いのではないかという声も中にはあった。DICEはこうした意見に耳を傾けつつ、実際のプレイデータを参照すると、幅広いプレイヤーベースにおいて死ぬペースが速すぎる状況にあったという。これでは、プレイを重ねて上手くなろうというモチベーションが上がらず、結果的にプレイヤーが去っていくことになるとして、調整の検討が進められた。
具体的には、多くの銃器の射撃部位ごとの最大ダメージを引き下げることで、1人殺すまでに必要な弾数を増やす調整がアップデートにておこなわれた(頭部に対しては変更なし)。これはTTKに直接影響を与える変更であるが、TTKを調整すると、おのずとTTDにも作用する。またTTDに関しては、ネットコードやラグなど外的要因も関わってくるため、DICEはこちらの改善も合わせて実施した。一方、もともとTTKはいじってくれるなという意見があったため、TTKの値を据え置いた「Conquest Core」というプレイリストを追加し、ハードコアな体験を求めるプレイヤーはこちらでプレイしてほしいとDICEは呼びかけていた。
*LevelCapGamingなど著名YouTuberもTTKの調整に不満を示していた。
しかし、これら調整はコミュニティから大きな不評を買うこととなってしまった。そもそもTTKの調整は望まれていなかったこともあるが、今回のアップデートにおけるDICEの姿勢が、一貫して新規プレイヤーを重視していたことがファンにとっては不満だったようだ。もちろん、開発陣にとっては、難しすぎて近寄りがたいゲームになってしまうことは避けたいもの。とはいえ、実際にゲームを購入しサポートしてきたファンとしては、自分たちの意見がないがしろにされたような気分になったのだろう。従来のTTKを望むプレイヤーのために用意された“Core”バージョンのプレイリストが、コンクエストのみだったことも不満のひとつだ(これを受けて、のちに全ゲームモードへの拡大が発表された)。またDICEが、これらの調整をホリデーシーズンにかけておこなっていくと発言したため、中には、この時期に新規プレイヤーを多く取り込むことこそが、目的だったのではないかと訝しむ声もあった。
DICEは、本作の新たなプレイヤーをベテランへと育てていくことは大事なことで、これまでの作品においても常にチャレンジだったと述べる。その上で、今回のこうした新規プレイヤー向けの施策や、ベテランプレイヤーに別のプレイリストを選んでもらうことは、正しいやり方ではなかったと率直に認め、TTKの値を調整前のものに戻し、同時にCoreプレイリストを廃止することを発表した。ただ、TTKの調整を適用していたこの間に得られたプレイデータからは、バランスの悪い武器の洗い出しや、今後の調整に活かせる良いアイデアをつかむことができたとコメント。新規もベテランも含め、すべてのプレイヤーのゲーム体験を向上させる取り組みをすでに始めているとのことである。また、こうした重要なアップデートに際しては、コミュニティへの明確な説明や密なコミュニケーションが求められることを学んだとし、これもまた今後に活かしていくとしている。