『スマブラSP』オンラインの見知らぬプレイヤーとの対戦中に「アピール」することが不可能に。煽りや過剰な馴れ合いを防ぐ狙いか
今月12月7日に発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(スマブラSP)』では、オンラインプレイ中に「アピール」ができなくなったようだ。Redditなどで取りざたされているほか、実際に製品版でオンラインプレイ中にアピールできなくなったことを確認している。「だれかと」の対戦を狙いとしたものであり、フレンドとの対戦ではアピール可能である。
『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにおいては、アピールというアクションが存在している。十字キーなどを入力することにより、それぞれのファイター専用のアピールが繰り出される。ファイターがそれぞれの持ち味を活かした、愛らしくもコミカルなアクションを披露する。一部相手への攻撃として機能したり、特別な演出を呼び出すアピールもあるが、基本的には短時間のアピールアクションをながめて楽しむものである。アピールは、初代の発売当初はファイターごとに1種類用意されていたが、『スマブラX』からは3種類用意されている。
もともとアピールは、CPUがプレイヤーを吹っ飛ばした際に繰り出すといった挙動をすることにより、撃墜後のアクションとして定着しつつあった。しかし一方で、オンライン対戦ではこの撃墜後のアピールを「煽り行為」として不快であるという声もあがっており、実際にこうした意識を利用し連発することで相手を煽るプレイヤーも存在する。公式にコマンドとして用意されている以上は、アピールする権利はプレイヤー側に存在するが、マナーという観点では、なかなか微妙な位置付けのアクションでもあった。さらに、オンライン対戦中にはこのアピール行為を戦闘中に連発することで馴れ合うプレイヤーも問題視されていた。アピールによる馴れ合いもまたオンライン対戦の醍醐味であるものの、一方でアピール合戦により乱闘が機能しない試合に遭遇した経験のあるプレイヤーもいるだろう。
そうした事情を踏まえてか、今作ではオンラインプレイ中のアピールが禁じられている。もちろん、対戦開始直後の挨拶代わりのアピールをすることもできない。アピールを発動した際にショートメッセージを出し、他プレイヤーと意思疎通することもできなくなったことになる。では他プレイヤーとの意思疎通はどうするかというと、対戦前と対戦後にメッセージを送信することができる。プロフィールの設定欄より、指定されたセリフの中からショートメッセージを選択して、十字キーに割り当てる。「だれかと」の対戦で送受信の可否を設定することも可能。「乱闘外」でコミュニケーションをとるシステムになった。野良オンラインプレイ中のアピールは、長らくシリーズのコミュニケーションのひとつであったので、寂しさを感じる方もいるかもしれない。ただし、アピール問題は長年の課題であっただけに、今回の判断は妥当なものであると考えてよさそうだ。
『スマブラSP』では、弊誌でも以前インタビューをさせていただいたaMSa氏も含めた、数々の『スマブラ』プレイヤーが開発に参加するなど、競技性の高いタイトルとして開発進められている。そういった意味では、“対戦外”の要素として対戦に絡んでくるアピールは、見知らぬプレイヤーとの対戦においては対応すべき問題であったのかもしれない。『スマブラSP』は、12月7日より発売中。オンラインプレイをする際には、Nintendo Switch Onlineの加入が必須となる。
【UPDATE 2018/12/8 12:30】
アピール不可であるのが「だれかと」の対戦中であることを追記し、あわせてタイトルをより正確なものへと変更。