複数進行中の『ディアブロ』プロジェクト、新情報は2019年発表へ。『ディアブロ イモータル』の不評を受けて念押しのアナウンス続く
Blizzard Entertainmentは12月1日、公式フォーラム上で『Diablo(ディアブロ)』シリーズの今後についてコメント(Battle.net)。複数進行中の『ディアブロ』プロジェクトに関する情報を、次の1年間で発表していくと、コミュニティマネージャーのBrandy Camel氏を通じて告知した。
Camel氏は今年8月時点で、複数の『ディアブロ』プロジェクトが進行中であることをYouTubeやSNSを通じて発表していた。その時点では、複数あるプロジェクトの一部は年内に何かしらお見せできると伝えており、実際に今年11月に開催されたBlizzCon 2018にて、モバイル向けのシリーズ新作『ディアブロ イモータル』がアナウンスされている。
BlizzCon 2018開催前には、メジャーなタイトルの発表は行わないとのBlizzardによる告知があったものの、ファンの中には『ディアブロIII』に次ぐナンバリングタイトル級の新作を期待していた人も多く、『ディアブロ イモータル』の発表にはコミュニティから落胆の声があがった。NetEaseが開発する同作には、グラフィックやUIからDiabloらしさを感じないことや、課金形態への懸念も寄せられている。その反応はActivision Blizzardの株価にも影響しており、発表直後には株価が7%ダウンしていた(GameSpot)。
※11月に公開された『ディアブロ イモータル』ゲームプレイ紹介トレイラー。海外版トレイラーと同じく低評価が大多数
今回のCamel氏のコメントは、BlizzCon 2018での発表後にCamel氏が立ち上げた「A QUICK WORD FROM BLIZZARD」という、コミュニティからのフィードバックを求めるスレッドに投稿されたもの。同スレッドには『ディアブロ』シリーズの方向性を危惧するファンからのフィードバックが多数寄せられている。
今回のCamel氏の投稿は、あくまでも進行中の『ディアブロ』プロジェクトについて、次の一年間で何かをアナウンスするという内容であり、それが『ディアブロ』のナンバリング新作に関する情報であるとは限らない。依然として漠然とした情報しか伝えられない状態であると思われるが、Blizzardはここ数か月のうちに、ほぼ同じ内容のメッセージをコミュニティに向けて繰り返し発信している。『ディアブロ イモータル』の発表後拡大したコミュニティからの落胆の声に対し、ほかにも期待すべきプロジェクトが動いている旨を念押ししたいことがうかがえる。
なおKotakuのJason Schreier氏は、BlizzCon 2018での『ディアブロ イモータル』発表後、Blizzard内部者・元従業員10人以上に対するヒアリングをもとにした『ディアブロ』シリーズの開発裏・開発状況レポートを報告している(Kotaku)。Schreier氏はこれまでゲーム業界にまつわるさまざまな事象について、入念な調査・聞き込みにもとづくレポート記事を公開してきた人物。その信憑性については海外メディア含む業界関係者から高く評価されている。
Schreier氏が伝えるところによると、『ディアブロIV』に相当するプロジェクトは、当初コードネーム「Hades」として開発がスタート。フランチャイズに新しい息吹をもたらすという目標のもと、『ダークソウル』風味の三人称視点アクションRPGとして開発されていたとのこと。だが開発は難航し、プロジェクト「Hades」は2016年にキャンセル。現在『ディアブロIV』に相当する作品は、「Fenris」という別のプロジェクト名にて開発が進められているという。現時点では、従来のシリーズ作品のような見下ろし視点操作のゲームになっているとのことだ。
「Fenris」はデザインディレクターLuis Barriga氏の強いビジョンのもと、カートゥーンスタイルの『ディアブロIII』ではなく、『ディアブロII』のようなダークなビジュアルの作品として手がけられているとのことで、従来の作風を好んでいたシリーズファンは期待が持てるかもしれない。ただしSchreier氏のレポートによれば、プロジェクトが一度スクラップされたこともあって開発はまだ初期段階。プロジェクト「Hades」がそうであったように、また開発がやり直しになる可能性もないわけではない。仮に2019年に発表されるとしても、プレイできるのはまだ先の話であると考えておいてよさそうだ。