混沌の「ネット世界」を一人称視点で探索する『Broken Reality』11月29日にSteamで発売へ

パブリッシャーDigital Tribeは、探索アドベンチャーゲームを『Broken Reality』を、現地時間11月29日に発売すると発表した。『Broken Reality』は「インターネット」を題材にした、やや狂ったバーチャル世界をさまようゲームだ。

パブリッシャーDigital Tribeは、Dynamic Media Triadの開発する『Broken Reality』を、現地時間11月29日に発売すると発表した。SteamにてまずPC向けに発売され、その後12月にMacおよびLinuxでもリリースされるという。

『Broken Reality』は、バーチャル世界を彷徨うアドベンチャーゲームだ。近未来、巨大企業NATEMがすべてのデジタルサービスを管理していた。NATEMは、新たなバーチャル世界を作り出しユーザーに提供しており、その世界は「インターネット」をモチーフにしているという。NATEMに招待されたユーザーは、企業に管理された“完全なはず”の仮想世界にて、隠された謎を見つけ出し暴くのだ。

プレイヤーはインターネット初心者として、ドギツイ彩色で構成されたなかなかに混沌とした世界を、一人称視点で探索していく。世界には、ギミックや他ユーザーが存在する。左クリックで繰り出す「Likeモーション」など独自のインタラクション機能を使い、ゲーム内通貨にあたる「Like」を集める。道中ではおかしなユーザーたちから頼み事を引き受けてクエストをこなせばソーシャルランクが上昇し、新たなエリアに進出。奇妙な日本語音声がそこら中から聞こえてくる、個性豊かな5つのワールドを、探索するのだ。

世界観はかなり強烈であるが、ゲームプレイはゆるやかなテンポで進行する。Vaporwaveから影響を受けたサイケデリックな世界は、細部にわたる部分までこだわりがこめられている。目が痛くなるようなエリアを歩き続けるもよし、ネットユーザー(NPC)に話しかけていくもよし、絶妙に仕込まれている奇抜なアジアンテイストを味わうもよし。新旧のインターネットパロディが用意されている一方で、時に現代におけるネットの課題に切り込んでいるという。
【UPDATE 2018/11/22 8:30】
「Vaporware」と表記していた部分を、「Vaporwave」へと変更しました。

インターネットをモチーフにしているだけあり、ユニークな仕掛けも用意されている。カタナを入手して道を阻む広告を切り捨て、ジオシティーズにてギャンブルに勤しみ、カメラを使い秘密を探し、ブックマークを使うことで指定ポイントへとワープする。雰囲気は独特であるが、比較的遊びやすい探索型のアドベンチャーゲームに仕上げられている。なお、本作は「非暴力ゲーム」であるとされているので、ホラーゲームではないかと恐れている方は安心するといいだろう。「マクロスMACROSS 82-99」「NxxxxxS」「猫 シ corp.」といったアーティストが提供するサイケなサウンドトラックもひとつの魅力。前述したように、独特な世界は細部まで作り込まれているので、サウンドを聞きながら不思議な感覚を抱き、放浪するだけでも楽しめそうだ。

『Broken Reality』制作陣は過去に、Kickstarterでクラウドファンディングキャンペーンを実施するも、目標額3万5000ドルを達成できず失敗。しかし諦めず、目標額を大幅に引き下げてもう一度キャンペーンを実施し約1万5000ドルを獲得。粘り強くゲームを作り続け、最終的に発売にまでこぎつけた。ゲームの序盤を体験できるデモ版もSteamにて配信されているので、その世界に降り立ってみたい方は、デモをさわってみることをおすすめしたい。

『Broken Reality』は、現地時間11月29日にSteamにて配信予定だ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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