文明崩壊後の世界での人生を描くRPG『Kenshi』12月6日正式リリースへ。12年にわたる開発の集大成、広大な世界であなたは何者となるのか

インディースタジオLo-Fi Games は、ソードパンクRPG『Kenshi』を12月6日に正式リリースすると発表した。価格は1980円で、12月6日の正式リリースにあわせて3500円への値上げが予定されている。『Kenshi』は、文明崩壊後の世界を舞台にしたRPGだ。

インディースタジオLo-Fi Games は、ソードパンクRPG『Kenshi』を12月6日に正式リリースすると発表した。対応プラットフォームはPC(SteamHumbleGOG)で、価格は1980円。12月6日の正式リリースにあわせて3500円への値上げが予定されている。

『Kenshi』は、文明崩壊後の世界を舞台にしたRPGだ。プレイヤーは選ばれし者などではなく、ましてや特別な存在でもない。何の力も持たない最弱の存在として世界に産み落とされる。果たすべき使命はなく、運命に縛れることもない。それはあらゆる可能性が待っているということでもある。

この広大な世界でどのように生きるかはプレイヤー次第だ。仲間と共に困難と発見に満ちた世界を探検するか、農場を持って自給自足の生活を送るか、街から街へと交易品を売り歩く商人となるか。あるいは賞金稼ぎとして指名手配犯を狩る、盗賊として一大勢力を築き上げる、さらには反逆者として大国に牙をむくことさえも可能だ。自分の選んだその道が、自分だけの物語を紡いでいくことになる。

一方で、世界はプレイヤーにレベルを合わせてはくれない。奴隷商人に捕まれば逃げ出すまで苦役を課されるし、人喰い人種や危険な野生動物たちも世界を徘徊している。粗末な装備しか身に着けていない盗賊ですら、旅を始めたばかりのプレイヤーには脅威となるだろう。たゆまぬ鍛錬はもちろん、街の守備隊を戦闘に巻き込むなどの”戦略”も重要だ。

11月16日に公開されたバージョン0.99へのアップデートにより、安定版では長らく封印されていた大陸南東部へのアクセスが可能となっている。これにより大陸全土の探索が可能となり、冒険の舞台が大きく広がることだろう。なお、最終フィードバックは随時受け付けているが、リリースのゴールが目前に迫っているため、ゲームプレイに影響を及ぼす大きなコンテンツの追加は予定していないとのことだ。

Lo-Fi GamesのCEO及びヘッド・デベロッパー のChris Hunt氏は、20代前半をゲームプログラマーとして過ごしたが、お⾦儲けがメインのゲーム・プロジェクトに辟易し⾃分の好きなゲームを作るため会社を退職。そして一人で心血を注いで来た。プロジェクトは、2013年にSteamでEarly Accessの承認を受け、やがて小さなチームで運営することができるようになった。本作は12年もの長きにわたる開発の集大成であり、開発者たちの不断の努力と、それを支えたコミュニティによる成果の結実とも言えるだろう。

最後に本作の正式リリースに合わせて、Chris Hunt氏がよせたコメントをもって本稿を締めくくろう。

「ゲーム上で何をするか、どう展開させるのか指図されるのは好きではありません。クエストを与えられたり、既に作り込まれて誰よりも強いキャラクターでゲームをスタートするのも全く⾯⽩いと思えません。名前のない、弱いキャラクターを⾃分なりに作り、様々なトレーニングを経て強いキャラクターに育成していく⽅がよっぽどやりがいがあるし、⾯⽩いと思います。」

「今までいろいろなゲームを体験し、影響も受けてきましたが、正直なところ満⾜できるゲームは⼀切ありませんでした。新しいゲームのリリース情報を⾒て、⾃分の理想のゲームだと期待し、どのように遊ぼうか、何をしようかとワクワクしながらプレイした後、時間の無駄としか思えないゲームであるとがっかりさせられた経験がほとんどです。それなりのゲームでも⾃分の期待値から外れないゲームはありませんでした。そういう経験が⾃分をより良いゲーム・デベロッパーにし、また頑張り続けて⾏こうという機動⼒につながったと思います。」

「私は『Kenshi』を⾃分のために作りました。もし『Kenshi』が万⼈から⽀持を受けなくても、それは仕⽅のない事だと思います。他⼈の思惑に左右されず、また妥協しないで⾃分 の信じるゲームを作る事が最⾼のゲームを作る事に繋がると私は信じているからです。」

Kouzou Suzuki
Kouzou Suzuki

子供の頃からアイディア勝負の変わったゲームを好む。気が付くとインディーゲームの魅力に取り憑かれており、人々を同じ沼へと引きずり込むべく記事の執筆を開始。

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