『Five Nights at Freddy’s』作者が今後のフランチャイズ展開について報告。AAA級新作の計画からコンソール移植、映画化企画の進捗まで
夜間警備ホラーゲーム『Five Nights at Freddy’s』(以下、FNAF)の作者として知られるScott Cawthon氏は11月12日、同フランチャイズの今後の展開について、現在の進捗を報告した。現在進行中のプロジェクトの多くは2019年に完成する予定とのこと。ただし映画化企画に関しては進捗が遅め。妥協せずCawthon氏の思い描いたとおりの作品に仕上げるためであるとのことだ。
・映画化について
同シリーズの映画化企画は、2015年にワーナー・ブラザーズが映画化の権利を取得したところから始動したもの。現在は「パラノーマル・アクティビティ」「パージ」「ハロウィン」といったホラー作品で知られるBlumhouse Productionsが製作に関わっており、映画監督のChris Columbus氏がメガホンを取ることが判明している(Variety)。「ホーム・アローン」「ミセス・ダウト」「ハリー・ポッターと賢者の石」「ピクセル」などさまざまな作品で監督を務めてきた人物である。
https://twitter.com/real_scawthon/status/846749317922783237
※2017年3月に投稿されたツイート
映画化に向けて長らく脚本づくりが進んでおり、最初の脚本は完成にまで漕ぎついたものの、現在は内容をスクラップして最初から書き直している最中だという。完成していた脚本はBlumhouse ProductionsのプロデューサーJason Blum氏と、監督のChris Columbus氏の両者ともに好感触であったというが、より良いアイデアが浮かんだため練り直すことに。すでに何度も延期を繰り返しているため心苦しい限りだが、自分の直感を信じ、面白い作品に仕上げるためにも、こうした決断を下したという。なお映画版の物語は『FNAF』の1~3作目をベースにしたものであって、それ以降のゲーム作品に関しては、映画世界では展開されないとのこと。
・『FNAF』VR/AR作品について
現在の完成度は40%。これまで複数のVR作品を手がけてきたSteel Wool Studiosと手を組んでVRゲーム開発を進めているという。没入感の高いVR空間の中でアニマトロニクスの脅威に立ち向かうというのは、シリーズファンにとっては期待度の高い恐怖体験と言えるだろう。最初のうちCawthon氏は自分でプレイテストするのを拒み、息子に頼んでいたという。トラウマにならないことを祈るばかりだ。一方、AR作品についてはまだ進捗10%ほどで、ゲームプレイの詳細についてはまだお伝えできないとのこと。
・『FNAF: Into Madness』について
こちらはまだ構想段階の新作であり、進捗は0%。最新作『Ultimate Custom Night』や『Freddy Fazbear’s Pizzeria Simulator』のように、ファンに向けた無料ゲームとしての配信が計画されている。まだ未着手ということで、実現するかどうかはわからないとも記されている。
・『FNAF』のAAAタイトルについて
『FNAF』の高予算AAA級タイトルの制作についても構想を練っているという。プロジェクトに参加する他スタジオと連携しながら、『FNAF』ファンが求めている(とCawthon氏が考えている)ような作品を作り上げていくとのことだ。
・コンソール移植について
『FNAF』のコンソール移植にあたっては、ゲーム・ソフトウェア制作ツールを提供しているClickteamと協力して、オリジナル作品群のHD移植を進めているとのこと(『FNAF』はClickteam Fusionを使って開発されている)。移植予定先はPlayStation/Xboxコンソール、Nintendo Switch、Android/iOSである。
・新しい小説シリーズについて
『FNAF』は小説版の展開も活発であり、これまで「FNAF: The Silver Eyes」「FNAF: The Twisted Ones」「FNAF: The Fourth Closet」の3作品が出版されてきた。新たに計画されている新シリーズは、最初の3作品とはまた違った内容になる。具体的にいうと、『FNAF』ユニバースで描かれる短編ホラー集になるとのことだ。1冊につき3つの短編を収録した計5冊の出版が計画されている。
以上が今回の報告内容の概要である。Cawthon氏は古くからジョーク発表を繰り返してきた人物でもある。今回の発表に関しても、どこまで鵜呑みにできるか分からない。ただ映画化プロジェクトが動いていることはBlumhouse Productions側からも報告されており、ゲーム関連プロジェクトに関してもSteel Wool StudiosやClickteamといった具体的な企業名を出しているあたり、信憑性は高いと見てよいのではないだろうか。