『Destiny 2』、Activisionの予測値を下回る業績結果に。大型拡張コンテンツ「孤独と影」の配信は起死回生ならず、さらなるマネタイズ手段を模索
Activision Blizzardは11月8日、2018年度第3四半期決算(7~9月)を発表した(公式サイト)。総収入は7%減(15億1000万ドル/約1719億4000万円)となったものの、当期純利益は前年比38%増(2億6000万ドル/約296億円)。2018年度第1四半期の5億ドル、第2四半期の4億200万ドルから下がってはいるものの、業績予測値を上回る結果であったと報告している。
コンソールゲーム/サービスの収入は前年比34%減、モバイル収入は11%減と落ち込んでいるものの、PC収入は21%増と奮闘(『World of Warcraft: Battle for Azeroth』の8月配信が収入増に貢献)。総収入の減少に関しては、今年9月に配信された『Destiny 2』の大型拡張コンテンツ「孤独と影」の成績が影響。同コンテンツは、Activision Blizzardが想定していたほどの結果を残せなかったと説明している。
『Destiny』シリーズの月間アクティブ・ユーザー数は前年比・前四半期比の両方で増加傾向にあるものの、期待を下回る結果であったことには変わらず。Activision Blizzardは決算説明会にて、コンテンツモデルの提供速度向上と、新しいマネタイズモデルの構築を約束している(Kotaku)。
シリーズ続編『Destiny 2』は、カジュアル層に訴えかけるため前作『Destiny』からゲームシステムを簡略化。その結果、前作のファンが求めていた、長く遊び続けられるゲームとしてはうまく機能せず、評価を落としていった。「孤独と影」のコンテンツ配信および同時期に行われた大型アップデートでは、長く遊び続けられるゲームとしてコミュニティの再活性化を図るため、ゲームシステムの多くをオーバーホール。新モード「ギャンビット」により新しい遊び方を提供したり、エンドゲームコンテンツに厚みを持たせたりと、充実した内容によりユーザー評価は上がっていき、海外メディアや動画配信者の反応も好感触であった。
新規ユーザーの開拓という面でも、PS4版はゲーム本編がPlayStation Plus会員向けの9月フリープレイ対象に、PC版(Blizzard Battlen.net)は11月に約2週間にわたる無料配布を実施している。「孤独と影」の目玉コンテンツのひとつであるPvPvEモード「ギャンビット」も、PS4版では9月に24時間無料体験を、PC版では11月にフリーウィークエンドを実施。新規ユーザーの開拓と離脱ユーザーの復帰、「孤独と影」配信前後では両者に向けたPR活動が続けられていたわけだが、それでも満足いく結果は出せていないようだ。
Activision Blizzardが語る新しいマネタイズモデルが何を意味するのか。今後また『Destiny 2』が大きな変化を見せていくのか。愛され、憎まれ、惜しまれ、試行錯誤を繰り返してきた『Destiny』シリーズの今後やいかに。