『ファイナルファンタジー15』現在制作中のDLC4本のうち3本が開発中止、ディレクターである田畑端氏は退社

スクウェア・エニックスは本日11月8日、現在制作中の『ファイナルファンタジーXV』向け「未来への夜明け」と名付けられたDLC4本のうち3本を開発中止すると発表した。「未来への夜明け」では大団円のエンディングが描かれると予告されていたが、その“未来”は不透明なものとなった。

スクウェア・エニックスは本日11月8日、「FINAL FANTASY XV 特別番組 -Special Program」にて、現在制作中の『ファイナルファンタジーXV』向けの「未来への夜明け」と名付けられたDLC4本のうち3本を開発中止すると発表した。「アーデン編」のみ2019年3月にリリース予定であるとし、「アラネア編」と「ルナフレーナ編」、「ノクティス編」は日の目を見ずに終わることになる。

同作のグローバルブランドディレクターである大藤昭夫氏は、会社が重要な方針の変更をおこない、プロジェクトに見直しをかけることを決定したと説明している。現在同作に携わっているのは、第2ビジネス・ディビジョンに所属していたスタッフが設立したLuminous Productionsのメンバーであると説明。Luminous Productionsの設立意図はまったく新しいAAAタイトルを作り上げることであるとし、新作をいち早くユーザーのもとに届けるためにリソースを集中させることを決定したという。その結果、『ファイナルファンタジーXV』向けDLC3本の開発が中止になったようだ。

あわせて、『ファイナルファンタジーXV』のディレクターであり、Luminous Productionsにて指揮をとっていた田畑端氏が10月31日をもって、スクウェア・エニックスおよびLuminous Productionsを退社したことも明かされた。大藤氏が読み上げた田畑氏の手紙によると、同氏は「どうしても実現させたい仕事があり、その実現にむけて、自ら事業を立ち上げる」とのこと。終始ファンとスクウェア・エニックスに深い感謝を述べて、手紙を締めくくっている。

開発されていたDLCの4本「未来への夜明け」は、「みんなが望んだ未来の実現」を掲げて開発されており、本編とは異なる大団円のグランドフィナーレをもたらすと告知されていた。それぞれのキャラクターたちが思い描く未来を実現するため、運命と戦うというDLCになる予定であった。「エピソードアーデン」はリリースされる予定であるが、そのほか3本が開発中止となったことで、「みんなが望んだ未来」が実現されるかは不透明な形となった。一方でゲームとしてのDLCは開発中止となったが、「エピソードアーデン」以降の物語は、“このような物語を届けようとしていた”というものをなんらかの形でお伝えしたいとスタッフが語っていているので、その物語の全容が明かされる日がくるかもしれない。
【UPDATE 2018/11/8 16:00】
今後の物語についての情報を、追記いたしました。

昨日スクウェア・エニックスは、2019(平成31)年3月期 第2四半期 決算短信にて、「当社完全子会社である株式会社 Luminous Productions について、事業方針の抜本的見直しを行い、同社の強みを活かせる大規模高品質ゲームの開発への集中を進めることとしました。これにより、同社で開発中であったゲームタイトルに係るコンテンツ制作勘定の処分、無形資産の減損損失等 3,733 百万円(37億3300万円)を、特別損失として計上いたしました。」と発表していた。今回の発表と、まさしく一致する告知であるといえる。スクウェア・エニックスは長きにわたり『ファイナルファンタジーXV』のサポートを続けていたが、いよいよその物語は終わりを迎えることになりそうだ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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