ドイツに拠点を置くインディースタジオStudioInkyfoxは11月1日、3Dパズル・アドベンチャーゲーム『OMNO』をPC(Steam)向けに発表した。2019年内の発売を計画している。
『OMNO』の舞台となるのは、不思議なモンスターたちが暮らす世界。プレイヤーはとある少年となり、草生い茂る森林地帯や、太陽の照りつける砂漠地帯、凍てつくツンドラ地帯、さらには雲の上の天空世界を旅していく。マップの具体的な規模は不明だが、ある程度オープンな環境だという。ここに暮らすモンスターは、岩に模したヤドカリのような小動物から、見上げるほどの超巨大な恐竜のようなものまで多種多様。映像を見る限りほかに人間のような存在は確認できず、独特の生態系を作り出している。モンスターとはさまざまな形でインタラクト可能で、親しくなった恐竜に乗って移動したり、川を超える際に大きな亀を足場にしたり、またお供に連れて行けるかわいいモンスターもいるようだ。
この世界には、かつて存在した文明の遺跡が点在し、そこでパズルを解き、さらに次のエリアへと進む形となる。主人公の少年は1本の杖を所持しており、映像では遺跡にある丸い紋章に杖から光を注ぐようにして仕掛けを起動させる様子を紹介している。モンスターや植物に接触したり、あるいは杖を使って砕いた岩の中から光の粒を集めるような場面が確認できるため、パズルや仕掛けの中には一定量の光を集めてこないといけないものもあるのかもしれない。杖を使って運んだ光で、隠された足場を出現させたり扉を開いたり、起動させた仕掛けから放たれた光の筋を、巨大なオブジェクトを動かすなどして目的の場所へ届けたりと、本作では光がカギとなる存在になっている。
こうした仕掛けを動かしパズルを解くためには、杖は光を運ぶ以上のアイテムとなる。旅を進める中では新たなスキルをアンロックでき、たとえば離れた場所にある光の紋章に猛烈なスピードで空中ダッシュして飛んでいったり、杖に乗ってサーフィンをするように移動したり、あるいは杖にぶら下がるような形で空を滑空したり。映像では爽快なアクションで移動する様子が見られるが、徒歩ではたどり着けない仕掛けへ飛んだり、短い時間の中でアクションをこなすために使ったりと、パズル要素とも結びついていることが分かる。これら以外のスキルも用意されるとのことだ。
神秘的な世界の中で解いていくパズル要素と、主人公と杖のダイナミックなアクションが結びついた『OMNO』。少年が旅をする理由など、ストーリー面については現時点では明かされておらず、モンスターとどのような関わりができるのかなどについても、もっと知りたいところである。開発元のStudioInkyfoxは、フリーランスのアニメーターとして10年のキャリアを持ち、『State of Decay』シリーズなどにも携わった経験を持つJonas Manke氏の個人スタジオで、本作は音楽を除き同氏がUnreal Engine 4を用いてたったひとりで開発している。これまで2年近くをかけて開発を進めており、核となるメカニクスは完成し、全体では現在60パーセント程の進捗とのこと。
Manke氏は、今回の発表に合わせてKickstarterにてクラウドファンディングを開始している。いまは仮として実装しているアセットを作り変え、もっとたくさんのモンスターを追加し、探索しがいのある謎をさらに多く実装していくため、3万2000ユーロ(約411万円)を初期目標金額に設定。本稿執筆時点で残り32日で、およそ3分の1ほどの金額が集まっている状況だ。キャンペーンが成功した場合、12ユーロ(約1542円)以上の出資で本作を入手できる。リリース時期は2019年9月の予定だ。もし一定以上の出資金が集まったり、発売したPC版が好調であれば、コンソールへの移植も検討したいとのこと。興味のある方はキャンペーンページをチェックしてみてはいかがだろうか。