クトゥルフ神話テーマの探偵RPG『Call of Cthulhu』Steam版配信開始、序盤の内容を紹介。正気と狂気の狭間で、自由な選択をもとに事件に挑む

パブリッシャーのFocus Home Interactiveは10月30日、フランスのデベロッパーCyanide Studioが開発した『Call of Cthulhu』をSteamにて発売した。価格は5280円。本作は、作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの著作「The Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)」をもとにした公式ゲームで、同著をテーマにしたChaosium社のテーブルトークRPGから影響を受ける一人称視点RPGだ。なお、海外ではPlayStation 4/Xbox One向けにも発売されている。

本作の主人公は、私立探偵のエドワード・ピアス。1924年のある日、アメリカ・ボストンにある彼の事務所をスティーブン・ウェブスターという老人が訪れる。実業家や美術コレクターとして、ボストンではその名を知らぬ者はいない人物だ。スティーブンにはサラ・ホーキンスという有名な芸術家の娘がいたが、その夫チャールズ・ホーキンスと夫婦の息子サイモンと共に火災によって亡くなったという。警察の捜査では、サラは気が触れて邸宅に火を放ち家族を殺したと結論づけられたが、スティーブンは納得していなかった。サラには何か“ビジョン”を見ることができる能力があり、それを絵にしていたとされるが、決して気が狂っていたわけではないというのだ。

スティーブンは、事件直後に何者かから送られてきたというサラが描いた1枚の絵画を持参。類稀なる調査能力を持つエドワードは、それを見て何かメッセージのようなものを感じる。そして、サラとその家族はどのような生活を送り、なぜ死んだのか、真実を求めるスティーブンからの調査依頼を引き受けることにする。向かった先は、ボストン沖合に浮かぶ孤島ダークウォーター・アイランドだ。

暗く陰鬱な雰囲気漂うダークウォーター・アイランドは、かつては捕鯨で栄えるも今は見る影もない。この時代は禁酒法が施行されていたが、島を隠れ家とするギャングが幅を利かせ酒の密造をおこなっており、煙たがる住民もいれば、取り入れられようとする者もいる。プレイヤーはまず、スティーブンから見せられた絵画の送付元となっていた36番倉庫を探すことになる。本作はオープンワールドではなくリニアに進行するが、最初に訪れる港周辺など場面によってはある程度自由な探索が可能だ。

本作のゲームプレイの基本は情報収集とその理解である。マップ内のあらゆる場所に調べられる物があり、また多くの住民と会話も可能。そこで重要になるのが、本作のスキルシステムだ。エドワードには、隠された物証を見つけ出す「Spot Hidden」、会話相手を説得する「Eloquence」、会話で恫喝したりドアなどをこじ開ける「Strength」、発見した物証や会話相手の心象を理解する「Psychology」、鍵をピッキングで開ける能力や、後述するReconstruction(復元)モードで得られる情報量を表す「Investigation」といったスキルがあり、重要な物証を発見したりゲームの進行によって得られるキャラクターポイント(CP)を消費してスキルレベルを上げることができる。

そのほか、オカルティックな分野の理解度を示す「Occultism」と、物証あるいは自身に影響する薬物について理解する「Medicine」というスキルもある。この2つはCPではなく、マップ内で特定の物証を発見することでスキルレベルが上がる仕組みだ。

会話シーンでは多数の選択肢が表示されるが、どのスキルのレベルを上げているかによって相手の反応が変わる場合があり、ゲームの進行に影響を与える。たとえば、36番倉庫を探して中に入るにはいくつかのルートが存在し、倉庫への道を塞いでいるギャングの手下とは普通に会話しても追い返されるだけだが、スキルによってうまく丸め込むことに成功すれば通れるかもしれない。倉庫の表の入り口には警官が立っており、ホーキンス一家の件は終わった事件だからと無下にされるが、協力を得られる可能性もある。

あるいはパズル要素をこなし、裏から地下を通ってこっそり忍び込むこともできる。ただし、それまでに誰とどのような会話をしていたかによっては、ギャングのボスに見つかって捕らえられてしまうこともある。しかし、その後ボスとの交渉に成功すれば倉庫に案内してもらえる。倉庫の中に入り、事件の重要な手がかりを見つけて次の展開に進むという結果は変わらないが、その過程は会話・行動の選択とスキルによって大きく変わってくる。

前述したReconstructionモードとは、現場で発見した痕跡から、その場所で何が起こったのかを可視化するモードで、物語を進める上でカギとなる重要な物証が隠された特定の場所でのみ使用できる。超能力というわけではなく、エドワードの高い調査能力を表現しているとのこと。たとえばホーキンス邸が火事になる直前、一家は邸内でどのような行動をしていたのかなど、エドワードは過去のイメージを見ながら分析。Investigationスキルが高いと、より深い理解を得ることができる。

ただし、エドワードが理解を深めることには別の側面もある。本作にはSanity(正気度・SAN値)システムが存在し、なにか怖ろしいものを発見したり読んだり、あるいは出会ったりし、それについて詳しく知るたびにゲージが減っていく。ゲームプレイ中にリアルタイムに増減するものではなく、全18項目あるそうしたイベントでのプレイヤーの行動の選択を反映しており、どれだけ“知り過ぎたか”によって、4つの異なるエンディングのいずれかにたどり着くことになる仕組みだ。

また、大戦を経験したエドワードはアルコール中毒に睡眠障害を抱え、精神的にも脆い状態にある。それを表現するため、なにかおぞましい状況に陥った際には視界が狭まりパニックを起こしたような声をあげる。そのほか、とある施設内ではステルスゲームのような形で人の目を盗みながら行動しなければならない場面があり、危機を避けるためロッカーの中に隠れたり通気口を通る際には、閉所恐怖症を起こして画面が大きく歪む。エドワードは有能な探偵ではあるものの、ゲームプレイの中では心の弱さを露呈する。

本作では36番倉庫の捜索を手始めに、事件現場であるホーキンス邸の調査へと進んでいくことになる。しかし、その場所は一家の悲劇的な死の真相に近づくための序章にすぎない。サラ・ホーキンスや、夫のチャールズ・ホーキンスの人物像には不可解な部分が多く、また事件の核心部分に謎の狂信者や旧支配者と呼ばれる存在が見え隠れする。エドワードは、ダークウォーター・アイランドの裏側に潜む狂気的な世界へと徐々に足を進める。

なお、本作のSteam版は現時点では日本語に対応していない。一方、2019年春にはPS4版が日本で発売されることが、オーイズミ・アミュージオから本日10月30日に発表されている。詳細は今後案内するとのこと。これまで同社がコンソール版をローカライズした場合、必ずしもSteam版にも日本語が追加されているわけではないため先行きは不透明だが、本作の世界観をより理解するためには文字情報が重要で、いずれSteam版も日本語に対応することを期待したい。

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