『スマブラ SPECIAL』へのワルイージ参戦を求める集団が“実際のゲームイベント”に出現しデモ活動。引き起こすのは、盛り上がりか恐怖か

Image Credit : Gamespot

任天堂より12月7日に発売予定の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(スマブラ SPECIAL)』。同作は、これまでのシリーズで登場したファイターが、全員参戦するという「スペシャル」な内容に仕上げられている。さらには「インクリング」や「しずえ」、「キングクルール」、「シモン」「リヒター」など新規参戦キャラクターも続々決まっており、盛り上がりは続く一方。そんな中、一部からは未だ根強い参戦希望が寄せられているキャラクターが存在する。それが「ワルイージ」だ(関連記事)。

Image Credit : Vooks

『スマブラSP』にアシストフィギュアとして登場することが決定しているワルイージは、インターネット上で謎の人気を博している。Change.orgの「ワルイージをスマブラに(ファイターとして)登場させて」という署名運動には4万4000人以上の人々が賛同Reddit上にて、2018年4月に実施された『大乱闘スマッシュブラザーズ』新作での参戦を望むファイターアンケートで、2位の『Shovel Knight』を大きく引き離しトップに輝いている。Twitterでは#JusticeForWaluigiもしくは#WaluigiForSmashというハッシュタグで、参戦を呼びかける声も存在するなど、参戦希望活動も盛ん。ただし、これらはあくまでインターネット上の出来事だった。しかし、実際のゲームイベントにて、ワルイージ参戦を呼びかける集団が現れたのだ。その詳細をVooksが報じている。

紫の集団は、オーストラリアにて実施されたPAX Australiaにて突如現れた。ワルイージの格好をした集団は、「ワルイージを2018年のスマブラに」「スマッシュさせろ」「自分(ワルイージ)はどうか?」というプラカードを掲げて、イベント会場内を行進。「ワルイージのスマブラへのファイター参戦」を掲げて、パンフレットを配ったり声などを出していたとのこと。活動の中心になっていたのは、Kakariko Krew (@kakarikokrew)と呼ばれる仮装集団で、Gamespotなどでも「すばらしいコスプレ」として取り上げられている。写真などで確認した限りでは、7名でデモ活動をおこなっていたようだ。

ただ一方で、前出のVooksやNintendo Lifeは、その光景の異様さを指摘している。ワルイージ集団は見た目こそは華やかであるが、ゲームキャラクターの(ファイターとして)参戦希望を掲げるある種の“政治活動”の一環ともいえる。その活動には強烈なプレッシャーとメッセージ性がこめられていると捉えられる。以前よりワルイージの参戦を希望する集団の活動は、インターネットでも疎まれる傾向にあった。というのも、Twitterでメッセージを投じる際に、開発を総指揮する桜井政博氏へのリプライを含むなど、“Troll(荒らし)”とも分類できる行動をしていたからだ。単純に、珍走団のような印象を受けやすい。よくできた衣装であり面白さもあるものの、こうした活動をしていた集団が、実際のゲームイベントで活動し存在感を強めることに不快感を抱く人もいるのではないか。

ワルイージの参戦希望活動を進める人々は、あくまで「平和的に、ハラスメントなく、好きなキャラクターの魅力を伝える」としているが、PAX Australiaのようなイベントで宣伝活動をすることで桜井氏や任天堂が恐怖感を抱く場合もあるだろう。ワルイージのファイター参戦希望活動は、権利の主張などではなく個人の希望の延長線でしかない。そうした活動が存在感を持つのは、平和的とはいえないかもしれない。PAXスタッフの尽力により、活動は平和的に進められたようだが、一部の任天堂ブースのイベントスタッフは動揺していたとも報告されている。

今年の6月にWaypointのインタビューを受けたレジー・フィサメィ氏は、桜井氏がワルイージの参戦を求める声に気付いているとコメントしつつも、参戦を実現させるかは氏次第であると語っていた。エスカレートを続けるワルイージ集団の活動に、任天堂は何かリアクションを起こすのだろうか。