「ネコ」が神秘的な世界を駆けるアクション『WENJIA』日本語対応でSteamにて発売。ふたつの世界を自由に切り替えて道を切り拓く

 

中国のインディースタジオDilemmaStudioは10月18日、『WENJIA』をSteamにて発売した。価格は930円で、10月25日までは10パーセントオフの837円で購入可能。本作は、ネコのキャラクターが神秘的な世界を冒険する2Dアクションゲームだ。Windows 10/Xbox One向けに先行配信されていたが、今回Steamでもリリースされた。なおゲーム内は、やや不自然な翻訳も散見されるが、十分理解できる範囲での日本語ローカライズがおこなわれている。

『WENJIA』の世界では遥か昔、物質世界の裏側にエネルギー世界が存在していた。しかし、やがて人間によってその狭間に都市が作られ、ふたつの世界の繋がりは断たれてしまう。それから永らく平和な時が続いていたが、ある日突然大きな地震が発生。地下から溶岩が噴出し、山の中で暮らしていた小さな精霊たちに危機が迫る。その知らせを聞いた本作の主人公である白いネコは、精霊たちを救出するため溶岩に満たされた山の内部を目指して旅に出る。そのネコは、物質から離れて独立的な意識を持つよう進化したエネルギー生物だという。

本作ではプレイヤーは主人公のネコを操作し、自然あふれる密林や洞窟、あるいは古代遺跡のような場所などさまざまな環境のステージを進んでいく。白い小動物が主人公ということも相まって、ゲーム画面はどことなく『オリとくらやみの森』を想起させるビジュアルであるが、バトル要素はなく、ジャンプアクションを駆使して先へ先へと進んでいくゲームプレイだ。序盤で二段ジャンプも可能になる。探索要素もなくはないが、基本的には一本道である。

ステージには奈落や池、トゲのある植物など触れるとミスになるエリアやトラップがそこかしこに配置されている。普通にジャンプして飛び越えられる場合もあるが、ステージのギミックを利用しなければならない場合も多い。たとえば、空中にある足場やジャンプ台を利用したり、対になった2つの光の玉の片方に飛び込んでもう片方にワープしたり、あるいは吹き上げる気流に乗って浮き上がったり。しかし、そうしたギミックが見当たらない場合もある。そこで、ネコの特殊能力を利用する。

主人公のネコは純粋なエネルギー生物であるがゆえに、物質世界とエネルギー世界の間を行き来できる能力を持っており、プレイヤーはボタン1発でいつでも自由に2つの世界を切り替えることが可能だ。世界を切り替えると環境の雰囲気がガラリと一変するが、ステージの基本的な構造は同じ。ただし、片方の世界にはないギミックが、もう片方の世界には存在する場合がある。行き詰まった時は、世界を切り替えれば突破口を見出せるはずだ。

本作では、この世界を切り替える能力を頻繁に使用することになる。場所によっては、着地するとミスになるため、ジャンプした空中で何度も世界を切り替えながら進まなければならないこともあり、どちらの世界のどの場所に、どういったギミックが配置されていたかを把握しながら進むことが求められる。また、ステージ内には収集アイテムがいくつも配置されており、こちらも両方の世界に存在する。意外な場所に隠されていたり、より難易度の高いルートに配置されていることもあり、すべて獲得するには相応のスキルを要する。

本作はジャンプアクションのみとシンプルなゲームであるが、なかなか繊細な操作が求められ、美しい手描きグラフィックや可愛いネコの仕草に目を奪われる余裕もなく、何度もミスしながら少しずつ歩みを進めていく歯ごたえあるゲームプレイが楽しめることだろう。そしてステージを進む中では、この世界にはどういう歴史があり、いま起こっている危機の背景には何があるのか、そして主人公の白いネコは一体何者なのか、本作の物語が少しずつ明かされていく。


国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。