コーヒー店経営シム『CoffeeBiz Tycoon』正式発表。出店場所から客層まで細心の気を配り、おいしいコーヒーを提供する
インディースタジオのThe Sociopath Softwareは10月14日、コーヒーショップ経営シミュレーションゲーム『CoffeeBiz Tycoon』をPC向けに発表した。本作は、昨年から開発状況が公開されていたが、今年10月にSteamにて早期アクセス販売を開始することが決定し、今回正式に披露された形だ。本作では、コーヒーショップの経営を通じて、起業の楽しさと、複雑な要素が絡むビジネスシミュレーションを体験できるという。
本作のゲームプレイの大まかな流れとしては、まずコーヒーショップを出店する土地を借り、キオスク(屋台)を設置。そしてコーヒーマシンなどの機材を導入し、従業員を雇って開業する。ゲームモードは、シナリオモードとサンドボックスモードのふたつ。シナリオモードでは、たとえばオーナーが2週間旅行に行くことになり、その間の経営を任されたプレイヤーが、限られた期間で可能な限り最高の売り上げを求めるといったものがある。サンドボックスモードは、特に制限なく自由に経営を楽しめるモードだ。
出店可能エリアには、ダウンタウン・ミッドタウン・マリーナの3か所が用意されており、さらにそれぞれのエリアの中で出店できる土地を選択する形となっている。たとえばダウンタウンであれば、施設の前や地下鉄の駅に続く階段の側、あるいは公園内や交差点、バス停の近くなど複数のロケーションがある。お客にはブルーカラー・ホワイトカラー・学生・観光客の4タイプがおり、ロケーションによって客層のバランスが異なり、また客層によってニーズも変わってくる。
提供できるコーヒーは、エスプレッソやカプチーノ、ラテやアイスコーヒーなど多彩。それらを提供するためには、コーヒー豆や水、牛乳、氷、あるいは使用するカップなどの材料を仕入れなければならず、それぞれどれだけ購入するかは販売実績と照らし合わせて調整することになるだろう。各コーヒーの販売価格についても、所定のコストがかかっているなか、どれだけの利益を上乗せするのか(あるいはしないのか)を自由に設定可能である。
また、従業員の存在も重要な要素のひとつ。従業員は、コーヒーを作るバリスタだけでなく、アシスタントやマネジャーなどに就かせることができる。人材によって職種ごとのスキルレベルが異なるため、適材適所で配置する。もちろん、優秀な人の時給は高く設定されている。ただし、スキルレベルが低い人でも経験を積めばレベルアップする。その学習スピードのステータスも雇用する際には考慮すべきだろう。また、コーヒーの提供スピードを優先するのか品質を優先するのかなどの性格や、モチベーションの要素もあり、足を引っ張っていると思ったらスパッと解雇することも可能だ。
本作には時間の概念があり、ダイナミックなライティングにより太陽の動きが表現され、日中から夜間へとシームレスに進行する。おのずと客層や、客の入りも変化してくることだろう。店を開けているだけでコストがかかるため、ロケーションと時間帯によっては、思い切って店を閉める判断も必要になりそうだ。ゲーム内ではそのほか、競合相手となるショップが存在したり、従業員が病気をしたり、あるいは破壊行為をおこなう者が現れるなどのランダムイベントも用意されるとのこと。こうした日々の経営状況に目を光らせながら確実に利益を上げ、店舗を増やしたり設備をアップグレードさせて、自らのショップを大きなブランドへと成長させるのだ。
開発元のThe Sociopath Softwareは個人の開発者が運営し、ゲームデザインからコーディング、アートワークまでひとりでこなしているという。ビジネスシミュレーションゲームに特化して制作する方針だそうで、第1弾作品がこの『CoffeeBiz Tycoon』となる。本稿では簡単に概要を紹介したが、実際にはショップ経営にまつわる非常に多岐にわたる情報がプレイヤーに提供され、それぞれに目を通しながら細かい判断を下していく深みのあるゲームプレイになる。そして、簡単に成功をつかめるようなものではなく、判断を誤ればいとも簡単に倒産してしまうゲームデザインを採用しているとのことだ。
今年10月に開始するSteamでの早期アクセス販売では、プレイヤーからのフィードバックを得ながら開発を進める。そして正式リリースに向けて、新たなロケーションや客層、店舗設備、ランダムイベント、シナリオなどを追加し、またModへの対応もおこなっていきたいとしている。