インディーアドベンチャー『Wandersong』のNintendo Switch版の売上は、Steam版のおよそ3倍にのぼると報告
歌唱アドベンチャー『Wandersong』の開発者Greg Lobanov氏は、海外メディアDestructoidに対し、同作の売上について報告した。9月28日に発売された『Wandersong』について問われた氏は、予想以上のものであるとコメント。小さなチームをサポートする上では、十分な数字であると語った。具体的な数字は言及されなかったものの、Nintendo Switch版の売上はSteam版の約3倍であることが明かされた。
これまでNintendo Switch向けインディータイトルの売上が、好調であることが報告されていた。特に『Wandersong』のような、PCとNintendo Switchのマルチプラットフォーム展開の場合であると、後者が伸びやすい傾向がある。最近PS4/Xbox One版も発売された『Hollow Knight』は、PC版から1年4か月後にNintendo Switch向けに発売されたものの、発売2週間で25万本と突破していた。同時発売にもなると、その勢いはさらに強まることだろう。チャート上位にもよく顔を出す『Deal Cells』もNintendo Switch版の売れ行きが極めて良いことが報告されており、横スクロール型の作品は、Nintendo Switchユーザーと相性が良いのかもしれない。
では実際に、『Wandersong』の売上はどの程度だったのだろうか。これまで売上の計測に使っていたSteam Spyは、Steamの仕様変更により集計メカニズムが変化しているので、SteamSpyとは別の形で発売本数を予想したい。Steamで『Golden Krone Hotel』などを販売してきたJeremiah氏は、そのタイトルのSteamストアに掲載されているレビュー数に50をかけると、およその売上がわかると力説していた(関連記事)。この説にのっとると、『Wandersong』のSteamレビューは69本であるので、売上は約3500本程度と想定できる。ここに3倍をかけた数字である、1万本前後というのがNintendo Switch版のおおよその売上と導き出せるかもしれない。APIを介してデータを収集するSteamSpyに基づいた検証とは違い、かなり憶測の範囲が大きいのでその点は留意してほしい。
確認したところ、ニンテンドーeショップのUK版とUS版の10月13日の12時点でのチャートには30位以内にランクインしていなかったので、『Hollow Knight』や『Undertale』といった大ヒットタイトルのような売れ行きではないこともうかがえる。とはいえ、Lobanov氏も示唆しているように“小さなチームをサポートできるぐらい”のスケールの売上だったのだろう。
『Wandersong』は、横スクロールの2Dアクション・アドベンチャーゲームで、ジャンプアクションを駆使しつつ、主人公の吟遊詩人の歌を活かす。アナログスティックを倒すと、主人公の周囲に8色に色分けされたリングが出現。それぞれの色は音階を表しており、そのままスティックで色を選択すると主人公が歌声を上げる仕組み。歌と冒険を組み合わせたユニークなコンセプトが特徴的な作品だ。Steamやメディアからも非常に高く評価されており、今後の売上の伸びも期待できるだろう。