『ファイナルファンタジー15』“マグロ”にまたがり駆けるノクトの姿がSNSで注目集める。1000種類を超えるPC版のModが遊び方を広げる


今月9月16日に投稿された、とあるユーザーの『ファイナルファンタジー15(以下、FF15)』にまつわるSNS投稿が注目を集めている。その投稿とは、マグロの上にまたがった主人公のノクトが、広大な世界を冒険するというプレイ動画だった。マグロに乗り高所を走っていたノクトは思い切ってジャンプし、低地へと着地。そのまま走りながら、大地を駆けていく。同じく、マグロにまたがったイグニスやプロンプトと合流し、道路を進み休憩する。そんな動画が、約3万のRTと約5万のいいねを集めている。

https://twitter.com/17toma__/status/1041001131671904256

このマグロの正体は、PC版『FF15』で導入可能なMod。ユーザーyusya1204氏が作成した「Tuna (Chocobo)」と呼ばれる作品である。フィールド移動のお供であるチョコボをTuna(マグロ)に差し替えることにより、この光景が実現された。機能やモーションはチョコボのままであるが、モデルがマグロへと変更されている形だ。チョコボのモーションが妙にマグロにマッチしており、魚が跳ねながら進んでいるようにも見える。その上にノクトたちがまたがることで、奇妙な光景が生まれたわけだ。

yusya1204氏は、このほかにも魚に関連した一風変わったModを制作している。ファントムソードをマグロにするPhantom Tuna、もしくは同ソードなどをネブラサーモンにするPhantom Salmon。ノクトやグラディオを人魚化してしまうModもリリース済み。挙句の果てには、イリスのモーグリをマグロのぬいぐるみにするModまで揃えているというこだわりっぷり。そのほかにも、さまざまな高クオリティかつ個性的な作品が氏のワークショップには並んでいる。氏は、他社IPのキャラクターなどは出さず、それでいて品質の高いModを作り続ける、PC版『FF15』を誠実に盛り上げるModderのひとりである。

Image Credit : yusya1204
Image Credit : yusya1204

こうした遊びができるのは、PC版ならではのものだろう。プロンプトにメガネをかけさせたり、それぞれのキャラクターの衣装の色を変えたり、新たなアクセサリーを加えたり、過去作のキャラクターを差し替えたりと、凝ったMod作品が多く生まれてきている。その数はSteamワークショップにあるものだけで、すでに1000種類以上。日々新たなModが投稿されており、熱量を感じさせる。開発側も「POCKET EDITION」の公式Modをリリースするなど、うまくユーザーの盛り上がりを後押ししている。リリース初期は剣をプロンプトにするといった“イロモノ”も多かったが、最近では質が高くこだわった作品がリリースされている印象だ。

この盛り上がりは、公式のサポートがあってのことだろう。スクウェア・エニックスはPC版をリリースしたのち、プレイヤーの作ったアセットをModにコンバートする機能と、それをSteam Workshopへアップロードする機能を併せ持つツール「MOD ORGANIZER」を配布。さらにはModの作り方まで懇切丁寧にガイドするという国内メーカーでは極めて珍しいほど、Modに対して積極的な取り組みを見せていた。そのアプローチに、ユーザーは見事応えていると言える。

Modツールの仕様の関係もあり、Steamワークショップではモデルやテクスチャを差し替えた作品が目立つ一方、Nexus modsなどでは『FF15』のもう少し“奥”の部分に手を加えた作品が存在する。音楽を入れ替えるModであったり、パーティーメンバー全員のテクスチャを差し替えるModであったり、ゲームの難易度をさらに高めるものであったり。中にはノクトとプロンプトのシャツを濡らして透けるようにし、乳首が浮かび上がるようにするという、なかなかに作り手のフェティシズムを感じさせる作品も存在している。男性向けの作品があることも確認しているが、そういったものは各自検索するといいだろう。とにかく、プラットフォームを問わずさまざまなMod作品が生まれている。

PC版『ファイナルファンタジー15』では、この秋にレベルエディターを実装予定。レベルエディターは、マップやクエストの作成が可能になり、マップにオブジェクトや敵をゲーム内に直感的に配置できるツールだ。このツールが配信されれば、ロボットを操作したり、ノクトがゴルフをすることが可能になったりと、遊びの幅はさらに広がる。優れたModderが多くいる現在、ツールが増えることを考えても、今後も優れたModが多く生まれていくことに期待してもよさそうだ。