一国のリーダーとして再選を目指す政治シム『Democracy 4』発表。フェイクニュースやソーシャルメディアなど近年の政治的現象を導入
イギリスに拠点を置くインディースタジオPositech Gamesは9月14日、政治シミュレーションゲーム新作『Democracy 4』を開発中であることを発表した。同スタジオは、『Fable』シリーズのLionhead Studiosや『シムシティ』のMaxisなどで活躍したベテラン開発者Cliff Harris氏の個人スタジオで、2013年にリリースした前作『Democracy 3』は、これまでに70万本近い売上を達成している。
『Democracy』シリーズでは、プレイヤーは一国の大統領あるいは首相となり、次期選挙での再選を目指す。そのためには、国民からの支持を得なければならない。一言に国民といっても、年齢や職種、また家族構成や収入、政治信条や日々どのような公共サービスを利用するのかなど、まさしく人それぞれである。ゲームではそうした国民を数十のグループにカテゴライズしており、そして多岐にわたる政治課題に対して、一国のリーダーとして限られた予算の中で政策を実行していく。
しかし、その結果は独自のニューラルネットワークによって、ほかのさまざまな政治課題に影響を与え、ひいてはそれぞれの国民のグループに対しても複雑に作用していく。端的に言うと、ある政策を実行すると、特定のグループはプレイヤーに投票してくれるようになるかもしれないが、別のグループはそうならないかもしれない。そうしたバランスに目を光らせながら、政策を断行するのだ。
シリーズ最新作となる『Democracy 4』については、まだ開発が始まったばかりとあって詳細は明らかにされていないが、前作のリリースから5年が経ち、この間には実際の世界の政治状況には多くの変化があった。そうした要素を本作に取り入れるという。たとえば、フェイクニュースやソーシャルメディアといった、近年政治への関わりが深くなっている要素を新たに導入する。一方で、たとえばテレビ放送の受信制限をおこなうVチップは、表現の自由に関する議論が沸き起こり、前作にもひとつの要素として取り入れられたが、現在はもう過去のものとなっている。そうした古い要素は撤廃される。
また、前作をベースにアフリカ各国に焦点を当てたスピンオフ作品『Democracy 3: Africa』にて導入した、汚職や報道の自由、そのほかの政治的現象の要素も本作に盛り込む予定とのこと。さらに、前作向けの拡張パックとしてリリースした「Extremism」「Social Engineering」「Clones and Drones」「Electioneering」で追加された各要素も、本作向けにアレンジして収録する。
『Democracy 4』の開発には、『Democracy 3』のUnicode対応版の開発や『Democracy 3: Africa』のデザインをおこなったStargazy StudiosのJeff Sheen氏が、リードプログラマー/デザイナーとして参加している。本作は、PC/Mac/Linux向けに2019年に発売予定で、まずは早期アクセス販売から始めることを検討しているとのことだ。
*sigh* facebook still telling me I cant run ads 'about politics' if I'm not a US resident. They do realize games exist? and that there are countries other than the US anyway? #idiocy
— cliffski (@cliffski) September 17, 2018
*Facebookにて「政治広告」と誤認定・ブロックされ、『Democracy』シリーズの宣伝ができないことを嘆く開発者のCliff Harris氏。