『The Culling』Steamにて基本プレイ無料タイトルとして再始動。『The Culling 2』の失敗を受け、リリース初期の仕様に戻した小規模バトルロイヤル
米国のインディーデベロッパーXaviant Gamesは9月14日、Steamで配信されている『The Culling』を基本プレイ無料化するとともに、同作の仕様をリリース初期に近い状態に戻す「Origins」アップデートを配信。もう一度リリース初期(「Day 1」)の状態からやり直すべく再出発を切った。
『The Culling』とは、2016年3月に早期アクセス販売が開始された、最大16人で対戦する一人称視点のバトルロイヤルゲーム。銃器ではなく手製の弓矢や槍を中心に戦うプリミティブな作風、攻撃・防御・防御崩しの三すくみの近接戦闘、さまざまなステータス異常効果、トラップの活用など、特徴的なゲームメカニックの組み合わせにより注目を浴び、初月から同時接続ユーザ数1万人越えを達成。ユニークな作品であったが、今回の発表で開発陣が認めているように、アップデートを重ねるごとに本作の独自性が薄まっていき、2017年10月にSteam/Xbox Oneにて正式リリースを迎えたものの、プレイヤーが集まらず同年12月に一度開発終了を発表している。
その後、Xaviant Gamesは2018年7月に続編『The Culling 2』を発売。最大50人対戦のバトルロイヤルゲームながら、マッチ参加者が1人になることもあり(マッチ開始と共に勝者決定)、マッチをプレイすることが極めて困難な状態が続いていた。『The Culling』の独自要素を取り払い、『PUBG』ライクなバトルロイヤル路線に変更したが、品質の低さとオリジナリティの無さなどが合わさり酷評され、プレイヤー数が伸びることなく、わずか9日でサポート終了を発表した(関連記事)。
そしてサポート終了と同時にアナウンスされたのが、『The Culling』の復活である。同作がみんなに愛されていた“リリース初期”の状態に戻すべく開発が再開され、同作の所有者向けに、リリース初期のビルドをテストサーバー上で開放。本番サーバーで公開されている最新ビルドに関しては、リリース当初のプレイ感覚を取り戻すべくブラッシュアップが続けられ、その成果が今回の「Origins」アップデートとして配信されている。
「Origins」アップデートでは、『The Culling』のルーツに戻り、リリース初期の戦闘、パーク、エアドロップ、マッチ内通貨システム、全体的なゲームプレイを再現。ただし全ての仕様がリリース時ビルドと同じというわけではなく、変更が必要と判断したものには、コミュニティからのフィードバックを踏まえて、どのように手を加えるべきか判断していっているという。
さらに「Origins」アップデートでは、経験値/レベルアップ、リーダーボード、ルートクレート、スキルベースのマッチメイキング、ボイスチャット、チュートリアル、オフライン・トレーニングといった新しい機能を追加。マネタイズ手段に関してはコスメティックアイテムの販売に限られている。
コスメティックアイテムの提供方法は無償・有償の両方。無償の入手手段としては、マッチをプレイしてレベルを上げて「Cull Crate」を入手。開封することで4つのアイテムが手に入る(Cull Crateに含まれるのは、コスメティックアイテム、無償ゲーム内通貨のCredits、有償ゲーム内通貨のTokensのいずれか)。またF2P化される前に『The Culling』を購入したプレイヤーには、複数のコスメティックアイテムとTokensがセットになった「Original Gangster」ファウンダーズ・パックが付与される(新規プレイヤー向けには2570円で販売中)。
作品のルーツに戻りつつ、現在のトレンドを取り入れていこうとしている『The Culling』。現時点でオンライン対戦に対応しているのは「Island」マップのみで、「Prison」マップは現在チューニング中。オフラインおよびオンラインカスタムマッチでのみプレイ可能となっている。マッチング時間への影響を踏まえつつ、将来的なアップデートでの正式実装を検討しているとのことだ。また今後のアップデートでは新規コンテンツやバランス調整に加えて、『フォートナイト』『PUBG』といったバトルロイヤルゲームでの採用例が増えつつあるバトルパスの導入が検討されるという。