『Alan Wake』海外TVドラマシリーズ制作発表。ゲーム版の脚本を手がけたSam Lake氏もプロジェクトに参加

『Alan Wake』の海外TVドラマシリーズの制作が発表された。ゲーム版『Alan Wake』のリードライターSam Lake氏もエグゼクティブ・プロデューサーとしてプロジェクトに参加。脚本および現場総指揮は「レギオン」「Cloak & Dagger」などを手がけたPeter Calloway氏が担当する。

カナダの映像制作プロダクションContradiction FilmsとゲームスタジオRemedy Entertainmentは9月12日、『Alan Wake』の実写TVドラマシリーズを制作中であることを、海外メディアVarietyを通じて発表した。Contradiction Filmは過去に「Dead Rising: Endgame」「Mortal Kombat: Legacy」といったゲーム作品の実写化プロジェクトを複数担当した経験のあるプロダクションだ。

脚本および現場総指揮(ショーランナー)としては、「X-MEN」のスピンオフドラマ「レギオン」や、同じくMarvelコミックのキャラクターをベースにしたTVシリーズ「Cloak & Dagger」にて一部エピソードの脚本を担当したPeter Calloway氏が抜擢。『Alan Wake』の脚本を担当したSam Lake氏も、エグゼクティブ・プロデューサーとしてプロジェクトに参加する。

Contradiction Filmsの作品リスト。Image Credit: Contradiction Films

Contradiction FilmsのパートナーであるTomas Harlen氏はVarietyに対し、「『Alan Wake』はTVシリーズをゲームにしたような作品でした。それがSamのビジョンであり、“トワイライト・ゾーン”、“シークレット・ウィンドウ”、“たどりつけばアラスカ”、ヒッチコック作品、そのほか米国のTVシリーズなどからも影響を受けていました」とコメント。ドラマ版に関してもSam Lake氏と協力しながら制作を進めていくと答えている。Remedyは当初『Alan Wake』のドラマ化に興味を示していなかったが、同作を50回ほどクリアしたというHarlen氏の熱意と、Sam Lake氏に衝撃を与えたというCalloway氏のアイデアのおかげもあり、彼らの協力体制が実現した。

『Alan Wake』は2010年にXbox 360向けに発売され、2012年にはWindows向けにもリリースされたサイコスリラー・アクションゲーム。ベストセラー作家Alan Wakeがワシントン州の田舎町にて奇妙な事件に巻き込まれ、失踪した妻を見つけるため奔走する。上述したように複数のドラマ作品から影響を受けた本作のストーリーテリングは高く評価されており、Harlen氏が語るようにTVドラマのようなエピソード構造を用いていた。

※『Alan Wake』ローンチトレイラー

ドラマ版の放送時期やプロットについてはまだ発表されていないが、Harlen氏はVarietyに対し、ゲーム版『Alan Wake』の物語をそっくりそのまま語るわけではないと伝えている。またSam Lake氏は、ゲーム版をスタート地点としつつ、ゲームでは深く掘り下げられなかった側面まで扱うことで、『Alan Wake』のダークでクレイジーな世界を拡張していきたいと語っている。

なおゲーム版『Alan Wake』の続編が出る可能性について、Lake氏は現時点では何も計画されていないと回答している。今後もさまざまな可能性を模索していき、ふさわしい時が来れば続編制作を実現したいとの想いを語っている。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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