究極のサバイバル体験を目指す『SCUM』のプレイヤー数が70万人突破。問題を抱えつつも依然として注目を集める

Steamにて早期アクセス販売中の『SCUM』がプレイヤー数70万人を突破。先日には初日売上だけで25万本を超えたことが報じられており、変わらない好調ぶりを見せている。こだわりぬいた人体管理シミュレーション要素が話題を呼ぶ『SCUM』は2050円で販売中。

クロアチアのゲームスタジオPandora StudioのゲームレーベルGamepiresは9月5日、『SCUM』のプレイヤー数が70万人を突破したことを発表した。これはSteam早期アクセス販売が開始されてから約1週間での記録である。

本作は8月29日にSteam早期アクセス販売が開始されたハードコア・サバイバルゲーム。初日だけで25万セールス超えを達成した注目作品であり、Devolver Digitalがパブリッシングを担当したタイトルの中では最高のスタートを切ったことが報じられている(関連記事)。リリース前にはTwitchストリーマー向けの先行配信が開始され、一時的に『フォートナイト』の視聴者数を超えるほどの注目を集めていた。現在もピーク時には数万人の視聴者を集めており、Steamの同時接続プレイヤー数ランキングでも、『ARK: Survival Evolved』『Rust』という定番サバイバルゲームと共に上位に名を連ねている。

本作は代謝から排泄まで細かくケアするという、こだわりぬいた人体管理システムが話題となり、サバイバルゲームが乱立するSteamマーケットにおいて頭角を現していった。設定としては、「SCUM」(クズ野郎)という架空のリアリティショーの出演者として監獄島「SCUM」にぶち込まれた終身刑の囚人たちがサバイバル生活を送り、島からの脱出を図るというもの(早期アクセス時点では脱出手段は未実装)。144平方キロメートルの広大なマップを舞台に、代謝、栄養、体温、体重、乾湿、排泄、嘔吐、心拍数など、人体に関わるありとあらゆる要素を管理しながら生き延びていく。一人称視点/三人称視点カメラの差によってPvP時に有利・不利が生じないよう、三人称視点操作時でもキャラクターの視野内に入り込むまで他プレイヤーが画面上に表示されないような仕様を採用している点でも特徴的である。

サーバーによっては頻発するラグや、ゲーム内チャットの調整不足(遠くの敵が間近にいるように聞こえる)、キャラクターの挙動周りのバグなど、早期アクセスタイトルゆえに問題は山積みではあるが、ゲームのコア部分には魅力的な要素があり、上述したように多くのプレイヤーから注目を集めている。発売から1週間で数回のパッチが適用されており、9月6日に配信された最新アップデートでは、マルチプレイ用サーバー上のキャラクターデータが削除されている。シングルプレイモードにおいてキャラクターのパラメーターが保存されない問題を解消するため、セーブファイルのフォーマットを変更する必要があったためだ。開発陣が「データ削除の頻度はできる限り抑える」とパッチノートに記載しているように、早期アクセス中の本作においては今後もデータリセットが生じる可能性があると念頭に置いておこう。そのほか今回のアップデートには、強敵セントリー・ロボットが一回だけ警告を発してくれるようになることや、ラグを改善するためのサーバー最適化、当たり判定およびバグの修正などが盛り込まれている。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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