『忍者龍剣伝』の影響受ける忍者アクション『The Messenger』Nintendo Switch/Steamにて発売。忍術を駆使し、8bitと16bitの世界を行き来する
パブリッシャーのDevolver Digitalは8月30日、カナダに拠点を置くインディースタジオSabotage Studioが手がける忍者アクションゲーム『The Messenger』のNintendo Switch版を発売した。価格は1980円。翌31日にはSteam版も発売されており、こちらは2050円(価格はいずれも税込)。なお、ゲーム内は架け橋ゲームズのローカライズにより日本語表示に対応している。
本作の主人公は、滅亡した世界にて人類最後の生き残りが暮らす村の若き忍者だ。この村には、魔物の軍団が数百年ぶりにふたたび地上に現れ、人類を根絶やしにするという言い伝えがあり、その運命に抗うため、村の忍者たちは鍛錬を続けていた。そして、その日は突然やってきた。悪魔軍の襲来により村は焼き払われ、忍者たちはあっけなくやられてしまう。言い伝えでは、西の英雄が現れて村を救ってくれるはずだったが、間に合わなかった。遅れて飛来した西の英雄は、唯一戦う力の残っていた主人公に1本の巻物を授け、それを呪われた世界の果てにいる三賢者に届ける使者(The Messenger)としての役目を与える。その巻物には、村の一族の存亡がかかっているという。
本作は2Dの横スクロールアクションとなっており、プレイヤーは動く床や針の山、奈落などをジャンプアクションで超えてステージを進んでいく。また、水中を泳いで進むエリアも存在する。そして進行状況に合わせて、壁に張り付いて登れたり、空中を滑空したり風に乗って浮き上がれるムササビの術のような新たなスキルを覚えていく形だ。さらにゲームを進めると、それまでの8bitから16bitの世界に切り替える力も獲得する。これは時空を超えることを表現しているそうで、本作の物語にも関わっているようだ。グラフィックや音楽の世代が変わり、一部のステージ構成も変化する。
武器としては太刀を持っており、これで襲いくる魔物たちを倒す。魔物には火を吹くものや、武器を投擲するもの、空を飛んでくるものなどさまざまおり、ステージの最後にはボスが待ち受けている。それぞれの敵は一定の攻撃パターンを持っているので、それを見極めて攻撃するのだ。ちなみに、本作の魔物は画面をスクロールさせて戻ると復活する形式である。なお、本作では死んでしまっても、クアブルと呼ばれる一つ目の魔物がチェックポイントにて復活させてくれるが、その“ツケ払い”として後述する時のかけらを一定数クアブルに吸い取られてしまう。
道中にはチェックポイントでもあるショップがあり、ここでスキルツリー形式で能力を習得・アップグレード可能。たとえば気ゲージを消費して投げる手裏剣があり、これを覚えてさらにアップグレードすると、手裏剣に貫通性能を持たせることができる。そのほか、体力の上限を引き上げたり、敵を倒した際に体力や気を回復できるアイテムを落とすアップグレードもある。これらは、敵を倒したり、灯籠のようなものを斬って入手できる時のかけらを消費して購入する。
本作はテクモの『忍者龍剣伝』シリーズから大きな影響を受けており、ところどころにそのオマージュが見られる。また、ファミコン・スーパーファミコン世代のグラフィックスタイルを採用しているだけでなく、ゲーム性や高い難易度からもどこか懐かしさが感じられる作品である。一方で、ショップの店主やほかのNPC、またボスとの会話はくだけた雰囲気で、シリアスで謎めいた物語ながらユーモアも溢れる、近年のインディーゲームらしい一面も見せる。本作は海外レビューでは、多数の満点を含む高い評価を得ているようだ(Metacritic)。興味のある方は手に取ってみてはいかがだろうか。
*『忍者龍剣伝』シリーズを手がけた吉沢秀雄氏と山岸継司氏が、本作をプレイする映像も公開中。