『Fear The Wolves』Steam早期アクセス販売開始。『S.T.A.L.K.E.R』のDNAを継ぐチェルノブイリ・バトルロイヤル

『Fear The Wolves』のSteam早期アクセス販売が開始された。『Fear The Wolves』は『S.T.A.L.K.E.R』シリーズに関わったメンバーが開発するチェルノブイリ舞台のバトルロイヤルゲームであり、他プレイヤーだけでなく放射能汚染区域や野生のオオカミにも対処しながら戦う。

Focus Home Interactive/Vostok Gamesは8月29日、『Fear The Wolves』のSteam早期アクセス販売を開始した。販売価格は2380円、日本語は非対応となっている。当初は7月19日に配信される予定であったが、クローズド・ベータテストを実施した結果、サーバーの安定性、マッチ中のパフォーマンス、ゲームバランスなどさまざまな課題が浮き彫りになったため、リリースが延期された。早期アクセス中のタイトルゆえに、購入する際にはそうした問題点が残っている可能性があることを留意してほしい。

『Fear The Wolves』は、最大100人のプレイヤーが、放射能に汚染されたチェルノブイリに降り立ち、荒廃した地にて最後の生き残りになるまで戦う一人称視点のバトルロイヤルゲームである。開発を手掛けるVostok Gamesは2015年にマルチプレイFPS『Survarium』をリリースしたスタジオ。『S.T.A.L.K.E.R』シリーズに携わったメンバーも在籍しており、『Fear The Wolves』も同シリーズの雰囲気を持つ作品としてプロモーションされている。

本作の戦場となるのは『S.T.A.L.K.E.R』風のチェルノブイリであり、その設定を生かしたゲームシステムが存在する点が本作の特徴となっている。放射能汚染によるエリア収縮は円状ではなくマップのグリッド単位で閉じられていき、ガスマスクやハザードスーツにより外界から身を守る必要が生じるほか、汚染エリアに残っているとアノマリーに襲われるようになる。また荒廃したチェルノブイリには野生のオオカミが生息しており、ときおり群れになって襲ってくる。単体ではそれほど大きな脅威ではないが、終盤戦で敵プレイヤーに居場所を知られたくないときに襲われると厄介なことになる。なお今後はオオカミ以外の敵対生命体も追加されていく予定だ。

また戦場の天候はマッチ中にも激しく変化し、観戦者投票により晴天や雷雨など天候が決められていく。風が強まれば射撃精度が落ち、移動速度が低下。雨天時には視界および車両のハンドリングが悪化する。嵐になれば移動速度、射撃精度、視界、車両ハンドリングなど無数のデメリットが生じる。劣悪な環境の中、物資を集めて汚染地帯をかいくぐり、なんとか生き延びるのだ。ヴォッカを飲むと酔っぱらって身体がふらつく代わりに放射能耐性が強化されたり、鎮痛剤を飲むとなぜか骨折が治ったりと、飲食物の活用も欠かせない。

最終局面では脱出用ヘリコプターが救出に向かってくるが、乗客できるのは一人だけ。ヘリコプターが到着すると救助エリアを示すため半径35メートルエリアにフレアが落とされ、リング状のスモークがたかれる。スモークの外で待機して救助エリアにやってくる敵を迎え撃つ、スモーク内で近接戦用武器を構えて勝負する、もしくはスモークをカバーがわりにして内外を行き来しながら戦うといった戦略が生まれる。十分な装備が整っていなければ、他のプレイヤーが争い合っているうちにヘリコプターから垂らされたロープを掴んで逃げるという一か八かの手に出てもよい。ただロープを掴んでいる間は恰好の的になるため要注意。ともかく最後の駆け引きを制し、チェルノブイリの立入禁止区域を脱するのだ。

マッチをプレイしてゲーム内通貨をため、コスメティックアイテムの入ったルートボックスを開封。提供割合は表示されている

マップの規模は25平方キロメートル。早期アクセス開始時点ではソロおよびスクワッドモードが実装されており、20種類以上の武器や15種類以上の防具、25種類以上の付属アイテムが揃えられている。今後のアップデートでは新武器・車両、屈み・這いといった体勢変更、バックスタブ、コスメティック要素、新ゲームモード、リプレイ機能などの追加。観戦機能やマップの洗練などが計画されている。

『Fear The Wolves』は2019年の正式リリースを目標としており、将来的にはPlayStation 4/Xbox One向けにも展開する予定だ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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