クトゥルフ神話の影響受けるオープンワールドADV『The Sinking City』ゲームプレイ映像公開。私立探偵が“口を閉ざす”女性の謎を追う

『The Sinking City』の最新ゲームプレイ映像が公開された。本作はPC/PS4/XBO向けに2019年3月21日発売予定の探索型アクション・アドベンチャーゲーム。作家ラブクラフトおよび「クトゥルフ神話」の世界観から着想を得て開発されている。『The Sinking City』は国内でも発売予定。

ウクライナに拠点を置くインディースタジオFrogwares821日、現在開発中の探索型アクション・アドベンチャーゲーム『The Sinking City』のアルファ版をもとにしたゲームプレイ映像を公開した。本作は、作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが手がけた「クトゥルフ神話」の世界観から着想を得て制作されている作品で、1920年代のアメリカ・マサチューセッツ州に位置する架空の街オークモントを舞台とする。この街は謎の水位上昇による浸水被害に悩まされており、主人公の私立探偵チャールズ・リードが調査に訪れた。

今回公開された映像では、サイドクエストのひとつをプレイする様子が紹介されており、チャールズはJoyという名の女性に会うために図書館に向かう。Joyは、口を紐で縫い付けられた異様な風貌をしている。オークモントの街の住民は、狂気に蝕まれたのかどこか様子のおかしい人が多いが、彼女は少し事情が異なるようだ。話を聞くと、彼女が暮らすアパートに何者かが繰り返し侵入し、彼女の口をたびたび縫い付けるのだという。助けを請われたチャールズは、彼女のアパートに調査に向かう。本作ではこのように、調査依頼をするさまざまな住民と出会い、それを請け負うかどうかを選択してクエストを進めることになる。

本作のゲームプレイ画面には、次の目標などプレイヤーを導く情報は一切表示されない。その代わり、メニュー画面の手帳に蓄積されていく情報を確認し、どこに向かい、何をすべきかをプレイヤー自らが判断するのだ。Joyのアパートの住所もこの手帳で確認できる。そしてワールドマップのその場所にマーカーをつけると、ゲームプレイ画面のコンパスに目印が表示される。また、街にはファストトラベル可能なランドマークが点在しており、そこに行ってマップを開くと、別のランドマークに飛ぶことが可能だ。

本作はオープンワールドとなっており、プレイヤーはオークモントの街を自由に探索できる。ただ、浸水被害が進んでボートを利用しないと移動できないエリアもある。それほど被害が酷くない地域でも、暗くじめっとした陰鬱な空気感に包まれている。本作の開発では、こうした表現を生み出すライティングにこだわっているという。Joyのアパートに到着したチャールズは、さっそく彼女の部屋の調査をおこなう。

調査現場にはさまざまなアイテムや事件にまつわる物証が配置されており、これらを調べて情報を集めていく。Joyは元歌手だったが、声を失ってしまったようだ。また犬を飼っているが、部屋ではその犬が異様な死を遂げていた。そして、それを発見した際に画面が歪みモノクロになっている。チャールズは過去のある出来事により、もともと精神状態が危うい状態にあり、こうした凄惨な出来事や現実とは思えない現象を目にすると幻覚にとらわれてしまう。彼の精神状態レベルは、画面左下に表示される青いメーターで確認できる。

幻覚を見るというチャールズの“症状”は、調査に役立つこともある。アパートへの侵入者が残したと思しき手紙を発見したあと、彼はふたたび幻覚に襲われる。しかし、今度は部屋にある物証それぞれにまつわる過去の出来事が再生されている。これらを時系列順に確認していくことで、チャールズはここで何が起こったのかを理解することができるのだ。

チャールズにはまた別の能力があり、開発者はコンセントレーションモードと呼んでいる。いわば集中力を高めて、いま必要となるものを探し出す能力だ。映像では、閉ざされた隣人の部屋の鍵がある場所を特定し、それを入手するために使用している。またこの場面では、この街を襲う水の中から現れたと思しき異形のモンスターが現れ、チャールズは銃で応戦している。本作にはピストルやショットガンなどが登場するが、銃器や弾薬を見つけることはかなり困難だそうで、こうした危機をどう乗り切るかは慎重に考える必要がありそうだ。

事件に巻き込まれたのか隣人は亡くなっていたが、チャールズは隣人の部屋で重要な手がかりとして、ある人物の名を知る。それは、依頼者のJoyが声を失った原因となった人物だという。Joyの元に戻ったチャールズは、その人物について尋ねるが、Joyは何か負い目を感じている様子で話すことを頑なに拒否をする。彼女の気持ちを受け入れたチャールズは、この図書館で自ら調べることにする。

図書館ではインテリジェントシステムと呼ばれる機能を利用することで目的の本を探すことができる。ゲームプレイにおいては、調査現場から持ち帰った物証の詳細を調べるために使用するものだ。Topic(ジャンル)・Book Information(著者情報など)・Period(出版時期)・Region(出版地域)の4つの項目があり、このうち3項目以上を設定することで情報を引き出せる。今回は、Joyが話したがらない人物について書かれたメモを調べ、その人物がかつてどこに暮らしていたのかを知ることができた。そしてチャールズは、さらなる調査のためにその場所へと向かう。

今回公開されたのは、あくまで開発途上のアルファ版のゲームプレイであることを念頭に置いておきたいが、探偵モノとして、そして「クトゥルフ神話」の世界観に影響を受ける作品としての一端を垣間見ることができる内容となっている。『The Sinking City』は、PC/PlayStation 4/Xbox One向けに2019321日に発売予定となっており、これからさらに磨き上げられていくことだろう。本作は日本語に対応し国内でも発売予定で、PS4版についてはオーイズミ・アミュージオが販売を担当することが発表されている(関連記事)。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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