小島を死守するキュートなシミュレーション『Bad North』Nintendo Switch向けに国内配信開始。PCおよび他コンソール版は近日中


インディーパブリッシャーRaw Furyは8月21日、Nintendo Switch版『Bad North』の国内配信を開始した。価格は税込1690円。架け橋ゲームズのサポートにより、日本語にも対応している。架け橋ゲームズは、PlayStation 4 / Xbox One / PC(Steam)などの他プラットフォームについても、近日中の配信を予定していると告知している。Xbox One版の配信が8月28日に開始されることから、コンソール版は約1週間後にリリースされるかもしれない。

『Bad North』は、さまざまな地形の小島を舞台に、バイキングから島を守るリアルタイム・シミュレーションゲームだ。タワーディフェンス型のRTSとも表現することができるだろう。ゲーム内の王国は島を保持しており、バイキングからの度重なる攻撃に晒されている。国王は殺され、残されたのはうら若き王子と王女。国を守り再興させるためにも、父に忠誠を誓った家臣たちからの信頼を勝ち取り、兵を組織してバイキングの襲撃を退けるのだ。

という設定は存在するものの、本作は極めてミニマルなリアルタイム・シミュレーションゲームである。ゲームを始めると、特に物語の説明などもなくゲームが始まり、2つの部隊を指揮して、襲い来るバイキングから島を守る。島には民家が存在するので、それらを守り切るのが基本的な目標だ。どこからともなく小舟に乗って島に上陸してくるバイキングを、待ち構えて倒す。360度全方位から敵は迫ってくるので、うまく敵を早期発見し処理する必要があるし、戦闘を重ねれば部隊の隊員が減ってくるので、補充も必要になる。

うまくファイナルウェーブを乗り切れば、ステージクリア。小島に残った(バイキングに襲撃されなかった)民家の数に応じて、コインが手に入る。そのコインを使い部隊の職を転向させたり、新たなスキルを獲得したりすることができる。防衛の成功によって、部隊は強くなっていくのだ。本作はリアルタイム・シミュレーションゲームであるが、同ジャンルの他作品と比較するとゲームスピードはゆっくりめで、指示を選んでいる間はさらに時間がゆっくりと流れるので、考える時間はある程度与えられている。

本作は、マップ上に存在する小島郡を西から東に進んでいく形式となっている。小島の中には部隊が存在するステージもあり、そのステージでの戦闘をクリアすれば新たに部隊が加わることになる。敵襲によって西側の小島はどんどん敵のものになっていくので、どう進んでいくかは考える必要がある。

『Bad North』は、部隊を指揮して小島を守るシンプルなゲームであるが、ゲーム内での説明も最小限で、プレイヤーは戦闘をこなしながらシステムについて理解することになる。『GoNNER』や『Kingdom: New Lands』などを発売するRaw Furyらしいタイトルであるといえる。シンプルなだけでなく、剣や弓や槍といった武器種や、職業、スキルによって戦術は多様化し、奥深さも存在する。また育て上げた部隊が、バイキングとワチャワチャしている戦闘を見ているだけでもなかなかに楽しい。流血表現が導入されているものの、こちらは設定によってオン・オフで切り替えることが可能。操作に関しては、Nintendo Switchの携帯モードでプレイしてみたが、ボタン操作よりもタッチ操作が圧倒的に直感的で快適であるという印象を抱いた。コンソール向けにはパッド用に最適化されていることが予想されるが、操作面で考えるならマウスやタッチパッドで遊べるハードウェアが適しているかもしれない。