約27%のゲーマーが、支払い手続きが面倒で途中で購入を取りやめている。調査会社が、購入プロセスに関する興味深いデータを報告
調査会社SuperDataは8月14日、ゲームコンテンツのオンライン購入に関する消費者動向をまとめた最新の調査結果を発表した。調査は、北米・南米・欧州・中東アフリカ・アジア太平洋の各地域の現役のゲーマーに対して、過去3か月の消費行動についてアンケート方式でおこない、地域ごとの各支払い方法のシェアや、支払いに関する消費者の傾向、またこれらから見えるマネタイズなどについてまとめている(全文は有料)。そしてSuperDataは、ストア側にとっては適切な支払い方法を用意することが、売り上げに結びつけるためには重要であると述べる。なぜなら、回答者全体の実に27パーセントが、支払い手続きに時間がかかるため購入を取りやめてしまった経験があると回答しているからだ。
そもそも、消費者が支払い方法に求めるもっとも大きな要素として、使いやすさと手続きにかかるスピードが挙げられており、今回の調査ではそれぞれ回答者全体の77パーセント・46パーセントという結果となっている。上に掲載したグラフは、SuperDataが今年5月にPayPalを通じて公表した同様の調査の結果で、ここでも同じ傾向が見て取れ、地域を問わないことも分かる。その支払い方法がセキュアかどうかや、ポピュラーであるかよりも、速くて使いやすいことが大事だという人が多いのだ。前述の、回答者の4分の1超が「面倒くさい」と感じて購入をキャンセルしたことがあるというのも、この結果からすると妥当かもしれない。ただ、具体的に手続きのどういった部分に時間がかかってキャンセルしたのかが気になるところである。クレジットカードや銀行口座を持っていない、あるいはアカウントに登録していないため、入力項目が多くなるということだろうか。
また、普段好んで使用している支払い方法をストアがサポートしているかどうかも重要とされており、もしその支払い方法が使えないとなった場合、ほぼ半数の人がその購入をやめてしまうという。具体的には、北米の50パーセント、南米の43パーセント、欧州の54パーセント、中東アフリカの47パーセント、アジア太平洋の47パーセントの人がそう回答している。特にこの割合が多い欧州についてSuperDataは、ストア側はクレジットカードなどポピュラーな支払い方法を用意しておくべきだろうとしている。
一方、特に割合の低かった南米は、柔軟に対応する消費者が多いと言い換えられる。今回の調査では、全世界的に見るとPayPal・デビットカード・クレジットカード(Visa/Mastercard)の順によく利用されているという結果が出ているが、たとえばブラジルやアルゼンチンでは、Boleto BancarioやPago Facilのシェアが大きい。これらは銀行口座を必要とせず、一般的にもポピュラーな決済方法だそうで、いわゆるコンビニ決済のように、発行された伝票を持って指定の支払場所で決済する仕組みである。Steamでは対応しているが、対応していないプラットフォームやゲームストアも多いようだ。だからこそ柔軟に対応せざるを得ないのかもしれない。
今回のSuperDataの調査ではほかに、ゲーマーは映画やテレビ番組、音楽の購入に、単品ではなく、サブスクリプション型のストリーミングサービスを多く利用する傾向があることもわかっている。このことから、Xbox Game PassやOrigin Access Premierのようなサブスクリプション型サービスにて、フルプライスタイトルを提供することには大きなポテンシャルがあるとし、ゲームメーカー各社は将来的にビジネスモデルの再考が求められるかもしれないとしている。