ファンタジー世界の冒険者を体験するRPG『OUTWARD』PS4/Xbox One/Steam向けに発表。魔法と魔物の世界でシビアにサバイバル

パブリッシャーのDeep Silverは8月14日、カナダのインディースタジオNine Dots Studioが開発するオープンワールド・アクションRPG『OUTWARD』の販売を担当すると発表した。PC（Steam）および海外PlayStation 4/Xbox One向けに、2019年2月19日に発売する。一部地域の流通は、パブリッシャーのMaximum Gamesと協力しておこなうとのこと。

『OUTWARD』は、魔法が存在する世界での冒険者の生活を体験するゲームだ。主人公は、選ばれし勇者でもなんでもないか弱い人間であり、草原や砂漠など4つのエリアからなる、自然あふれる広大な世界を冒険する中で成長していく。本作には昼夜や気候変化の要素があり、プレイヤーはまずはこの世界を生き抜かなくてはならない。飲み水の確保や、動物を狩るなどして食料を入手する必要があり、夜になればキャンプを設置し安全を確保して睡眠をとる。雪が降る寒い日には暖をとることも求められ、時に感染症の脅威も襲うという。本作には、このようなサバイバル要素が基本にある。

本作の世界には3つの勢力が存在し、それぞれにメインストーリーが設定されている。プレイヤーは、それらの勢力に加入してクエストをこなす形でゲームを進める。本作のクエストは、ひとたび発生すると現場にプレイヤーがいようがいまいが事態が進行していくことが特徴で、それに間に合うように行動する、あるいはあえてスルーするという選択が可能となる。敵としては、恐ろしいモンスターや山賊が登場し、対するプレイヤーは、剣や槍、弓など攻撃力やリーチ、スピードの異なるさまざまな武器を駆使して戦う。経験値は存在せず、特定の人物に出会いスキルを覚えることでキャラクターは成長していく。

また、前述したように本作には魔法が存在し、一部の敵も魔法で攻撃してくるという。もちろんプレイヤーも魔法を使用できるが、ボタン1発で唱えられるようなお手軽システムではない。たとえば火の玉を撃ちたい場合は、まずファイアストーンと呼ばれるアイテムを使用して魔法陣を地面に描き、その中に立って火花を発生させ、その火花を集めることで初めて火の玉を形成できる。実に雰囲気のあるシステムだが、ゲームプレイにおける実際の使い勝手がどのようなものになるのか気になるところである。

もし敵に襲われてやられてしまった場合、プレイヤーは新たなキャラクターでふたたび冒険をおこなうことになる。ただし、前回プレイ時のキャラクターはその世界に残っている。たとえば、山賊に身代金目的に捕らえられていたり、どこかの木に縛り付けられていたり、あるいは身ぐるみ剥がされ死体となって打ち棄てられていたり。詳細は不明だが、前回プレイ時に獲得していた装備やスキルを受け継ぐ要素もあるそうで、もしかすると捕まった“かつての自分”を助けに行く、なんてことができるのかもしれない。

本作のクエストの中ではさまざまな分岐点が訪れるが、常に最良の選択ができるわけではなく、助けを求める人全員を救えるわけでもない。また、ゲームプレイ中にはコンスタントにオートセーブがおこなわれるため、選択のやり直しもできない。同じストーリーを追っていても、毎プレイ少しずつ異なる体験になるという。本作のボリュームは、3つのメインストーリーで20〜40時間ほどと想定されており、すべての要素を体験するとなると100時間はかかるだろうとのこと。ソロもしくはローカル・オンライン2人協力プレイに対応し、ローカル協力プレイでは画面分割でプレイ可能だ。

この『OUTWARD』は2015年に発表され、Steam Greenlightにて十分な評価を獲得。そしてKickstarterにて開発資金を募ったが、初期目標金額に到達する見込みが立たずキャンペーンは途中で中止されてしまった。開発元Nine Dots Studioは、その後Canada Media Fundからの出資を受けて本作の開発継続を表明。昨年中旬からは続報が途絶えていたものの、今回のDeep Silverとの提携に至った。情報公開を控えていたのは、パブリッシャーのマーケティング方針に則る必要があったからだそうだ。

この提携により対応言語の追加が可能になったとのことだが、Steamストアの表記によると、少なくとも現時点では残念ながら日本語はサポートされないようだ。そのほかにも、当初発表されていたゲーム内容からはいくつかの変更がおこなわれたが、開発は順調に進んでいるそうで、その仕上がりに期待したい。本作は、今月21日からドイツで開催されるGamescomに出展されるとのことなので、そこでさらなる情報が提供されるだろう。