Nintendo Switch対応の任天堂非公認ドック製品「Jumpgate Dock」開発中。ドッキングステーションとしてPC・スマホでも使用可能

Nintendo Switch用ドック製品「Jumpgate Dock」を開発中だ。任天堂純正のNintendo Switchのドックよりも小ぶりで、ドックにNintendo Switch本体を接続したまま、充電しながらテーブルモードでもゲームプレイ可能。そしてさらにPCやスマートフォンでも利用できる。

オーストラリアと中国に拠点を持つゲーム周辺機器メーカーSkull & Co.が、Nintendo Switch用ドック製品「Jumpgate Dock」を開発中だ。任天堂純正のNintendo Switchドックよりもコンパクトで、ドックにNintendo Switch本体を接続したまま、充電しながらTVモードだけでなくテーブルモードでもゲームプレイ可能。ただ、こうした製品はすでにほかに存在するだろう。本機がユニークなのは、Nintendo SwitchだけでなくPCやスマートフォンでも使用できるギミックにある。

Jumpgate Dockは、107x100x25mmという手のひらサイズで、重さは95g。HDMI出力と、USB Type-Cおよび2つのUSB Type-A端子を持つ。筐体後部のフラットな面を上から押すとわずかにせり上がり、Nintendo Switch本体を接続した際に支えになると同時に、せり上がった分の隙間がちょうどNintendo Switchの吸気口につながりエアフローを確保する設計だ。Nintendo Switch本体の接続部は、保護ケースに入れたままでも使用できるよう配慮されている。HDMIでテレビやモニタに出力すればTVモードとして利用でき、HDMI接続を解除すると、Nintendo Switch本体のモニタがオンになりテーブルモードとして利用できる。もちろん、いずれの場合も充電しながらプレイ可能だ。

実は本機は、各種接続端子のある心臓部を筐体から分離することができる。「Core Drive」と呼ばれるその心臓部は、寸法88x35x10mmで重さ26g。前述した各種接続端子に加え、SDカードスロットとMicroSDカードスロットも備えており、こちらは分離して初めて利用できる。ドック部分とはUSB Type-Cにて接続する形で、ノートPC向けにドッキングステーションなどと呼ばれ販売されている製品をイメージすると分かりやすいかもしれない。実際にCore Drive も、ドッキングステーションとしてUSB Type-C端子を持つPCで使用でき、HDMI出力を含めすべての機能を利用できる。USB Type-C経由でノートPCの充電も可能だ。

分離したCore Driveは、Nintendo Switch本体に直接挿して使用することもできる。ズボンのポケットに入るようなサイズなので、外に持ち出す際には便利かもしれない。Core Driveを取り外したドック側は映像の出力はできないが、USB Type-C端子に電源を接続すれば、充電しながらテーブルモードでプレイできる。なお、Core DriveをNintendo Switchで使用する場合は、SD/MicroSDカードスロットは利用できない。

また本機は、サムスンのDeX Stationと同様の機能を持ち、Galaxy S9シリーズおよびS8シリーズを接続してHDMIからテレビやモニタに出力すると、PCライクに使用できる。これはCore Driveを直接端末に繋いでも良いし、Jumpgate Dockにスマートフォンを挿す形でも利用可能だ。Jumpgate Dockは、Galaxyシリーズについてもたいていの保護ケースに対応するとのこと。なお、たとえばHuawei製端末のPCモードはDeX Stationでも利用できるとされているが、Jumpgate Dockもサムスン製以外の端末に対応するかどうかは不明である。

本機は任天堂の公式ライセンス商品ではない。過去には、ゲーム周辺機器メーカーNYKOなどの非公認ドック製品が原因で、Nintendo Switch本体が動作不能になってしまう例があったため、それ以来、同様の製品を手がけるメーカーは安全性のアピールを欠かさない(関連記事)。メーカーのSkull & Co.は本機の開発を8か月にわたっておこなっており、その間には100時間連続で充電させたり、HDMI出力の接続と解除でNintendo Switchが正しくTVモードとテーブルモードに切り替わるかテストを重ねてきたという。

また、Jumpgate Dockに接続した状態のままNintendo Switch本体のファームウェアアップデートをおこなっても問題ないかもテストしている。同社はNYKOが起こした問題を分析し、標準的なUSB PDプロトコルに則っていれば問題は起こらないはずだとし、これまでのテスト結果と合わせてJumpgate Dockの安全性を主張している。ちなみに、USB PDプロトコルの標準に則るという基本姿勢は、弊誌が以前紹介したNintendo Switch対応モバイル液晶モニタの開発元も同様の見解を示していた(関連記事)。

このJumpgate Dockは、現在Kickstarterにて開発資金を募っており、本稿執筆時点でキャンペーンは残り26日。初期目標金額の5倍超の出資が集まっており、すでに製品化が決定している。25オーストラリアドル(約2005円)以上の出資でCore Driveを“含まない”充電専用のJumpgate Dockを入手でき、59オーストラリアドル(約4758円)以上の出資でCore Driveを含むセットを入手できる。製品の出荷時期は今年11月を予定しており、送料は無料とのこと。

なお、キャンペーンではストレッチゴールをひとつ達成しており、ファミコンおよびNES(海外版ファミコン)をイメージしたカラーリングが追加されている。ちなみに次のストレッチゴールは、スーパーファミコンとSNES(北米版スーパーファミコン)をイメージしたカラーである。あくまで任天堂非公認製品であるということに留意したうえで、興味のある方はキャンペーンページをチェックしてみてはいかがだろうか。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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