『鉄拳7』に「ウォーキング・デッド」の人気悪役キャラ“ニーガン”がゲスト参戦。『鉄拳』シリーズお馴染みのアンナ・ウィリアムズとレイ・ウーロンも

 

米国ラスベガスにて開催された格闘ゲームイベント「Evolution 2018 (EVO 2018)」にて、『鉄拳』シリーズのディレクター原田勝弘氏とゲームデザイナーのMichael Murray氏が登壇し、『鉄拳7』のシーズンパス2で追加される新キャラクターの顔ぶれを紹介した。今回発表されたのは、計6体の追加キャラクターのうち3体。ニーナ・ウィリアムズの妹でありシリーズ常連のアンナ・ウィリアムズと、同じくシリーズお馴染みのレイ・ウーロン。そして最後のサプライズとして発表されたのが、「The Walking Dead(ウォーキング・デッド)」のコミック/ドラマシリーズで知られる悪役ニーガンだ。

『鉄拳7』はPC(Steam)およびPlayStation 4/Xbox One向けに販売中。今回発表された新キャラクターを含むシーズンパス2は近日配信予定(Coming Soon)となっている。

 

※以下は全て「ウォーキング・デッド」に関する話

ニーガンとは何者なのか

「ウォーキング・デッド」とは、“ウォーカー”と呼ばれるゾンビがはびこるポスト・アポカリプス世界にて、残された生存者たちがウォーカーの大群と、そして他の生存者たちとの果てしない争いの連鎖に巻き込まれていくサバイバル人間ドラマである。ゾンビ映画の多くはアウトブレイク発生当初のパニックを中心に描いているが、本シリーズは「もしもゾンビ映画が終わることなく続いたら、アウトブレイク後の世界での生活が際限なく続いたら」といった、尺に限りのある媒体ではなかなか描けない長期連載前提の生存劇となっている。原作は2003年に始まったRobert Kirkman作のコミックシリーズであり、15年経った現在もシリーズ継続中だ。

今回の『鉄拳7』とのコラボレーション企画として参戦するのは、AMCで放送されているドラマ版「ウォーキング・デッド」のニーガンである。コミックでは記念すべき100冊目にて衝撃的なデビューを果たし、ドラマ版ではシーズン6最終話の登場シーンに10分以上もの時間が費やされた重要人物。主人公グループと敵対する組織“救世主”のリーダーだ。相棒ルシール(有刺鉄線バット)片手に不敵な笑みを浮かべ、ノンストップで暴言を吐き続ける様は、個性的なキャラクターの多い本シリーズにおいてもひと際目立っており、コミックファンからの人気は高い。『鉄拳7』でも汚い名台詞を吐き散らしながら殺人バットを振り回し活躍してくれることだろう。

圧倒的なカリスマ性、汚いユーモア、ルールを破るものには容赦なく暴力をふるう残虐性。主張が強いキャラクターではあるが、彼は彼なりに「人々を救いたい」という思いを抱いており(ゆえに救世主という組織名)、女性や子供に対し優しい一面を見せることも。作中では絶対悪ではなく「本当に彼は悪者なのか」と読者・視聴者の考えを揺さぶりにかかる役割を担っている。ただしドラマシリーズにおいてはニーガンの登場以降、視聴率がみるみると落ち始めている。彼が中心人物として描かれるエピソードは特に不人気であったりと、コミックファンほどには視聴者に受け入れられていないのかもしれない。

https://www.youtube.com/watch?v=laCk1hjEeYU

※「ウォーキング・デッド」シーズン9 予告編(8月13日まで期間限定公開)

 

ドラマは注目の年、ゲームは複数タイトルを展開

ドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」のシーズン9は2018年10月7日海外公開予定(国内では10月8日22時~)。シーズン6~8と続いた“救世主”との紛争が完結し、主人公リック率いるグループはコミュニティ再建に力を注ぐ、比較的平和な日々を送っていた。だがコミュニティ内での意見の対立や、新しい生存者グループの登場により、再びリック一同は混沌の渦に巻き込まれていく。

シーズン9では、これまで脚本家/共同エクゼクティブ・プロデューサーとしてプロジェクトに参加してきたAngela Kang氏が新しい現場総指揮(ショーランナー)として昇格。Kang氏はキャラクター同士の掛け合いや、心境の変化を描く上で転換点となるエピソードを描くことに長けた人物として知られている。

過去に脚本を担当したエピソードとしては、捕虜として捉えた青年を生かすか殺すか、主人公グループのモラルが問われたシーズン2エピソード11「Judge, Jury, Excutioner」。ボブというキャラクターを中心に、食人グループ・ターミナスとの陰鬱な交戦を描いたシーズン5エピソード3「Four Walls and a Roof」。敵を殺せるけれど殺したくないというキャロルの葛藤や、女性キャラクター3人の緊迫感あふれる駆け引きにフォーカスしたシーズン6エピソード13「The Same Boat」などが挙げられる。そんなKang氏によると、「ウォーキング・デッド」シーズン9は“西部劇”の雰囲気をまとっており、女性キャラクターの活躍や、より複雑な人間関係が描かれるとのこと(Entertainment Weekly)。アクション豊富なシーズン8とは一味違った「ウォーキング・デッド」が期待できそうだ。

Telltale Gamesの『The Walking Dead: The Final Season』

シーズン7~8と視聴率としては停滞気味であったドラマ版「ウォーキング・デッド」。シーズン9ではコミック原作の展開から大きく離れる、とある一大イベントが待っていると「Comic-Con 2018」にて正式発表されている。シーズン9は心機一転を図るという意味においても、登場人物の重大な変化という点においても、ここ数年の中で最も注目されているシーズンと言える。

「ウォーキング・デッド」はドラマだけでなく、ゲーム展開も盛んである。まず今年8月にはTelltale Gamesの『The Walking Dead: The Final Season』が発売予定となっている。Telltale版シリーズの主要キャラクター・クレメンタインの物語に終止符を打つものだ。また別プロジェクトとしてOverkill’s Softwareが開発中の4人協力Co-opシューター『OVERKILL’s The Walking Dead』も、今年10月に発売予定。このように2018年は「ウォーキング・デッド」フランチャイズにとってビッグ・イベントが相次ぐ年となっている。『鉄拳7』のニーガン・コラボをきっかけに「ウォーキング・デッド」に興味を抱いた方は、他のゲーム展開やドラマシリーズを追ってみるのも手だろう。