日常の超現象を調査するクトゥルフ神話×伊藤潤二作品ライクなホラー『恐怖の世界』正式発表、PS4/Nintendo Switch/Steamで2019年発売。日本語に対応

インディーパブリッシャーYsbryd Gamesは8月1日、『恐怖の世界』を正式発表し、2019年に発売することを明かした。対応プラットフォームは、PlayStation 4/Nintendo Switch/Steam。『恐怖の世界』はポーランドの医学生が開発中の、伊藤潤二作品とクトゥルフ神話から影響を受け作られているホラーゲームだ。

インディーパブリッシャーYsbryd Gamesは8月1日、『恐怖の世界 -WORLD OF HORROR-(以下、恐怖の世界)』を正式発表し、2019年に発売することを明かした。対応プラットフォームは、PlayStation 4/Nintendo Switch/Steam(Windows/Mac/Linux)。

『恐怖の世界』は医学生Paweł Koźmiński氏が手がける、ホラーアドベンチャーゲームだ。氏は日本から遠く離れたポーランドの地で暮らしているが、漫画家の伊藤潤二氏の作品を愛してやまない。氏は同時にクトゥルフ神話のコズミックホラーをに関心を持っており、このふたつを融合させた作品を作りたいと考え、本作の開発を始めた。開発初期に氏は、本作についてあくまで個人で制作している趣味の範疇のゲームであることを強調していたが、『VA-11 Hall-A』などを発売するYsbryd Gamesとタッグを組み製品として売り出すことを決意したようで、今回の正式発表に至っている。

そのコンセプトからもわかるとおり、『恐怖の世界』は不気味な日常の中で調査を進めるアドベンチャーゲームとなっている。舞台となるのは1980年代の日本だ。海辺の小さな町には不気味な生き物が徘徊し、忌まわしき邪神の目覚めの時が近付くなど、世界は終焉の時を迎えつつあった。しかし人間たちは、日常が不気味な影に覆われていることに気付いていない。終焉の時が近いことに気付いているプレイヤーは、こうした怪奇現象の謎を紐解いていき、世界を破滅の危機から救うために奔走するのだ。

ゲームシステムとしては、フリーシナリオ形式が採用されている。プレイヤーはキャラクターとシナリオを選べば、好きな場所を訪問することができる。さまざまな場所におもむき怪奇現象と対峙し、謎を解き明かしていく形だ。訪れた場所で調査をおこなえばなんらかのイベントが発生し、Doom値が上昇したり、パラメーターが変化したり、アイテムを得たり、もしくは超現象につながるヒントが得ることができる。しかしその一方で、不可解な現象や、見たこともないような化物たちと出会うことにもなるだろう。

パラメータチェックによるイベントクリアやダイスによる戦闘など、ボードゲームを彷彿とさせるクラシックな要素も盛り込まれている。イベントをこなせれば真相に近付き、プレイヤーが死んでしまえばキャラクター選択からやり直し。一連のシステムについては「ローグライト要素」というくくりで紹介されている。詳細なシステムについては、弊誌の紹介記事を一読してみてほしい。

『恐怖の世界』は初期のMacintoshライクなマンガ調ビジュアルと、どこか懐かしいクラシックなシステムにより、不気味な体験を提供するホラーアドベンチャーゲームとなるようだ。プレイヤーをびっくりさせるジャンプスケア演出は用いられておらず、不気味な雰囲気と不安定な環境により、じりじりと恐怖を感じる作品に仕上げられているとのこと。

Itch.ioにてデモ版が配信されている時から、日本文化を織り交ぜた独特の作風には光るものがあった。一方で、ゲームは全編英語となっており、テキストだらけの作品であるので、英語が大好きでなければ、なかなかプレイが辛いという面もあった。しかし弊誌がKoźmiński氏に訊ねたところ、本作はすでに日本語化の作業が進行中であるとのこと。実際にスクリーンショットもいくつか頂いており、発売日に間に合うようにローカライズを進めているようだ。日本語化が進んでいることについては、日本のコミュニティの支援のおかげであると感謝の気持ちを述べている。

『恐怖の世界』は昨年にこっそり東京ゲームショウに出展されていた。今年もまた、装い新たに東京ゲームショウに出展するとのこと。新たなバージョンのゲームが遊べるようなので、9月に幕張に向かう予定のある方は、ぜひポーランド在住クリエイターのホラーゲームをチェックしておいてはいかがだろうか。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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