構造が変化する地下鉱山に潜る『Chasm』Steamで発売。6年をかけ作られた、メトロイドヴァニア型の2DアクションRPG

インディースタジオBit Kidは7月31日、『Chasm』をSteamにて発売した。『Chasm』は、メトロイドヴァニアにRPG要素を加えた2Dアクションゲームで、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』や『リンクの冒険』、『ロックマン』シリーズなどから影響を受けているという。

アメリカのインディースタジオBit Kidは7月31日、アクション・アドベンチャーゲーム『Chasm』をSteamにて発売した。価格は2050円で、8月7日までは10パーセントオフの1845円で購入可能。本作は、2013年に実施したKickstarterキャンペーンにて成功を収め、準備期間を含めて6年もの開発期間を経てついに発売された。なお、海外ではPlayStation 4/Vitaでも発売されている。

『Chasm』の主人公は、Guildean Kingdomと呼ばれる王国の前哨部隊の砦で働く、騎士になることを夢見る兵士だ。ある日隊長に呼び出された主人公は、Karthasという町に向かうよう命じられる。その町には、王国の存続に欠かすことのできない資源を産出する地下鉱山が存在するが、地中深くから謎のモンスターが現れ、坑夫は鉱山に近寄りたがらない状況にあるという。問題を解決し、鉱山をふたたび稼働させなければならないが、砦の騎士たちは別件で出払っている。そこで主人公に、騎士になる資格があるか証明するチャンスが与えられたのだ。

Karthasの町は奇妙なほどひっそりとしており、町長がひとりで助けの到着を待っていた。町長によると、ここの鉱山では資源の産出量が年々減っており、新たな鉱脈を探し求めていたという。しかし、それがモンスターを呼び起こした原因だったようだ。モンスターは鉱山を這い出て町をも襲い、住民たちを連れ去ってしまった。Karthasのために住民を救い出し、そして王国のために鉱山を再興させるため、主人公は早速鉱山に潜る。

本作は、メトロイドヴァニアにRPG要素を加えた2Dアクションゲームで、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』や『リンクの冒険』、『ロックマン』シリーズなどから影響を受けているという。鉱山の中には、ゾンビや動物のようなモンスターなど80種類を超える敵がおり、武器を持ってプレイヤーに襲いかかるものも多い。敵は一定の行動パターンで徘徊しているので、間合いをはかりながらそれぞれの攻撃パターンを学び、バックダッシュでの回避も駆使しながら倒していこう。探索を進める中では、巨大なボスや中ボスとのバトルも待っている。

主人公の攻撃は2つのボタンに割り当てられ、初期装備である剣などの近接武器や、投げナイフのような飛び道具など、合わせて130種類以上の武器が登場する。武器によって威力が異なるのはもちろん、攻撃モーションのスピードやリーチも異なるため、種類によって使い勝手はかなり変わってくる。また武器の中にはMPを消費する魔法系のものも多く、道中でランプを壊して回復アイテムを入手しながら進みたい。なお、HPは鉱山の中にいくつかあるセーブポイントや、経験値が一定値まで貯まってレベルアップした時に回復する。食べ物などHP回復アイテムを入手できることもある。

鉱山の中では、モンスターに捕らえられ檻に入れられたKarthasの住民を発見することもあり、救出するとその住民は町での生活に戻る。本作ではKarthasを拠点に、鉱山とを行き来するゲームプレイになり、町では救出した住民が営むお店で新たな装備や消費アイテムなどを購入可能だ。鉱山で入手した資源をもとに、装備品をクラフトしてくれる住民もいる。お金は倒した敵がドロップしたり、木箱などを破壊した際に入手できる。初めて町を訪れた際には、多数の部屋がありながら無人の酒場に気づくはず。冒険を進めて住民たちを助けていくことで、町は賑わいを取り戻すだろう。ひいてはプレイヤーの助けにもなるはずだ。

また序盤では、王国の科学アカデミーの教授を救出することになる。教授はこの鉱山で何かを探し求めており、救出後もさらに鉱山の奥深くへと潜っていく。彼は、ゲームの進捗状況に合わせて出会い、さらなるエリアへといざなう役目のキャラクターなのだ。本作には合わせて6つのエリアが収録されており、最初のエリアはいかにも鉱山らしい雰囲気のダンジョンだが、教授に誘われ先に進むたびに古代の墓所や城跡など環境が変化し、現れる敵は強力になり、ステージのギミックなども新たなものが登場する。

ゲームを進める中では探索範囲を広げるスキルアイテムを入手できる。高い壁や飛び越えられないギャップ、通り抜けられない狭い通路など、先に何かありそうだけど進めない場所は、対応するスキルが必要になる。本作では町から鉱山の最深部まで自由に行き来できるため、新たなスキルを入手するたびに、一旦立ち戻ってマップの未到達エリアを探索し直してみるのもいいかもしれない。

鉱山の構造は、新規プレイを始めるたびにランダムで組み替えられる。マップ全体における重要な部屋の位置は変わらないが、それらを繋ぐルートが変わるため、プレイヤーはみな同じ物語を追うものの、ゲーム体験はそれぞれ異なるものになるだろう。その鉱山の構造は、SEEDシステムによる固有の番号によって決定する。ゲーム開始時にはSEEDの値を自由に変更することが可能で、自分の好きな構造を狙って作ることはほぼ不可能だが、同じ鉱山でプレイし直したい場合や、ほかのプレイヤーと鉱山を共有してプレイする際には便利である。

『Chasm』の長い開発期間中には、ほかにもさまざまなダンジョン探索型アクションゲームが発売されており、それらの中では本作は比較的スローテンポでクラシックなメトロイドヴァニアと言えそうだ。ゲームのボリュームはおよそ10〜15時間と想定されており、より難易度の高いゲームモードも用意されている。

なお本作のPC版では、ゲームを始めてすぐにクラッシュしたり、フリーズするなどの問題が一部のプレイヤーから報告されている。筆者の環境では特に問題はなかったが、開発元のBit Kidもこの問題について認識しており、早急に修正パッチを配信するよう作業を進めているとのことだ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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