恐竜テーマパーク運営シム『Jurassic World Evolution』売上100万本達成。映画と同じ俳優・声優が「ジュラシック・ワールド」の世界観を引き立てる

イギリスに拠点を置くインディースタジオFrontier Developmentsは7月19日、恐竜テーマパーク運営シミュレーションゲーム『Jurassic World Evolution』の売り上げが100万本に達したことを発表した。『Jurassic World Evolution』は、映画「ジュラシック」シリーズを元にした作品だ。

イギリスに拠点を置くインディースタジオFrontier Developmentsは7月19日、恐竜テーマパーク運営シミュレーションゲーム『Jurassic World Evolution』の売り上げが100万本に達したことを、海外メディアGamesIndustry.bizを通じて明らかにした。本作は6月12日に、Steamおよび海外PlayStation 4/Xbox One向けに発売。Valveが7月5日に公開したSteamの2018年上半期ランキングにて、本作は売上最上位のプラチナにランクインしていたことから絶好調であることがうかがえたが(関連記事)、具体的な本数として今回わずか1か月での大台達成が明らかになった。

『Jurassic World Evolution』は、映画「ジュラシック」シリーズを元にした作品で、映画にも登場したムエルテス諸島を舞台に、独自の恐竜テーマパークを建設・運営する。プレイヤーは、科学・エンターテイメント・セキュリティの各部門から、テーマパークの発展に繋がる目標を請け負いながら、施設の建設から園内に放つ恐竜の研究、迎え入れるお客のもてなし、また危険な恐竜の管理をおこなう。

恐竜は、世界各地の発掘現場に調査チームを派遣して化石を発掘して持ち帰り、その遺伝子を解析。現代の動物の遺伝子とかけ合わせて、卵から孵化させるとテーマパークに放つことができる。こうした作業のひとつひとつに専門の施設が必要なため、園内を整地して各施設を建設、そして道路を引き、発電所から電力を供給するのだ。施設には、ホテルやファストフード店、ゲームセンターなどもあり、入場客の満足度を高めることにつながる。一方、収容区画に放った恐竜には、食事の世話や病気のケアなどが必要。さらに、天災で脱走してしまった場合は、いち早く再収容しなければならない。こうした管理をおこないながら恐竜の数を増やし、アトラクションで客を楽しませ、そしてテーマパークの評価を上げるのだ。収益を高めることでさらにテーマパークを拡張でき、ひいては新たな環境の島をアンロックできる。

草食恐竜を、どう猛な肉食恐竜と同じ区画に収容すると容赦なく襲われるため、各恐竜の特徴に合わせた管理が求められる

本作は、映画「ジュラシック」シリーズの世界観や恐竜の再現度、また手軽に楽しめるテーマパーク運営などが高く評価された。一方で、その運営要素はFrontier Developmentsがこれまで手がけてきた『Planet Coaster』のような奥深さはないとして、レビュー集積サイトMetacriticでは70点(PC版)とまずまずの評価に落ち着いている。それでも、これだけ速いペースで売上100万本を達成できた背景には、本作の発売と同じタイミングで公開された新作映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の存在が大きかったようだ。前出のGamesIndustry.bizの取材に答えた同スタジオCEOのDavid Braben氏は、この映画が世界中での本作への注目を集めることに繋がったのは間違いないと述べている。本作は映画のストーリーをなぞる内容ではないが、「ジュラシック」シリーズの人気の高さと、遊園地経営シミュレーションゲームの開発に定評のあるFrontier Developmentsへの期待の高さが、この成功に結びついたのかもしれない。ちなみに、2016年発売の『Planet Coaster』の売上は、今年7月時点で168万本と推計されている(関連記事)。

また、本作には映画でおなじみのキャラクターが登場し、全員ではないものの映画の俳優本人が声優として参加しており、公式ゲームとしての雰囲気を盛り上げている。本作は日本語音声・字幕にも対応しており、その吹替も映画と同じ声優が一部担当している。たとえば、映画シリーズ第1弾「ジュラシック・パーク」からの重要人物イアン・マルコム博士は大塚芳忠さん、遺伝学者ヘンリー・ウー博士は近藤浩徳さんだ。ほかにも、林真里花・小松史法・ふくまつ進紗・木下紗華・間宮康弘・佐藤せつじ・岡哲也・雨谷和砂・有賀由樹子・丸山雪野さんといった、多くの映画やゲーム作品に参加している声優陣が本作で声を当てている。これが売上に直接結びついたかどうかはわからないが、映画からのファンにとっては嬉しい要素だろう。

開発元Frontier Developmentsは、本作の発売後もコンテンツの追加をおこなっていく考えで、直近のアップデートでは映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」で初めて登場したインドラプトルやスティギモロクといった恐竜や、新たな発掘現場などが追加。これで合わせて50種類近い恐竜をテーマパークに迎えることができるようになった。もちろん、各種調整・修正もおこなわれている。

なお、本作のPS4/Xbox One版は日本でも発売予定である。Frontier Developmentsは弊誌に対し、映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の国内公開に合わせて、7月中には発売する計画であるとしていた。映画は7月13日から公開されているが、まだ本作は発売されていないため今回あらためて確認したところ、現在も国内のパブリッシャーと調整を続けており、できるだけ早く発売できるよう取り組んでいるとのことだった。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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