『メタルギアソリッド』の映画化プロジェクトは既に脚本完成済みとの報告。シリーズ特定作品の脚色ではなく、独自のアプローチで描く


『メタルギアソリッド』シリーズの映画化プロジェクトにて監督を務める予定のジョーダン・ボート=ロバーツ氏が、米国サンディエゴで開催中のComic-Con International 2018にて米国IGNのインタビューに応じ、ハリウッド版「メタルギアソリッド」の脚本は完成済みであることを報告した。

ロバーツ氏によると、映画用の脚本はゲームのシリーズ作品をそのまま再現するものではないとのこと。かといって「映画“ダークタワー”のように、ファンに愛されていた要素を完全に無視するような真似はしません」と語っている(スティーブン・キング原作映画「ダークタワー」はレビュー集積サイトRotten Tomatoesにて16/100点と酷評)。

※動画の6時間59分12秒よりインタビュー開始

ゲームシリーズの監督を務めたゲームデザイナーの小島秀夫氏とロバーツ氏の親交は厚く、映画化に向けた脚本づくりにおいても小島氏がロバーツ氏にアドバイスを送っていることが、過去のインタビューやイベントでのパネルセッション、両氏のSNSを通じて伝えられてきた。今回のインタビューでも、小島氏からは「私のように、観客を裏切りなさい(betray your audience)」と助言されたと語っている。

ロバーツ氏いわく、「私の目標は、ファンが求めていることや期待していることをスクリーン上でうまく描くこと。そして本シリーズの膨大かつ壮大な、数十年に渡る物語の一部を映画として成立させることです」。ほかにも、これまで人々が見たことがないアプローチで『メタルギア』の歴史に踏み込んでいくことや、ハリウッド映画の基本となる三幕構成とは異なる描き方をすることなど、同シリーズのファンとしても、単純に映画好きとしてもワクワクするような、野心的なアイデアが練られていることがうかがえる。

上記は、『メタルギア』31周年を記念して、ロバーツ氏がSNS上で連日公開しているコンセプトアートである。ロバーツ氏お気に入りのアーティストたちに依頼して制作されたものだ。特にサイボーグ忍者のアートワークが多めなのが気になるところ。映画化する上では同シリーズのホラー表現とマジックリアリズムをうまく融合することが重要だと語っていたりと、ロバーツ氏が本プロジェクトにおいて大事にしているポイントについても手短に触れられているので、ファンの方はぜひともウォッチしておこう。合計で31枚のアートワークが公開されていく予定だ。

アートワークの中には、「1920+」や『Iron Harvest』のコンセプトアートで知られるJakob Różalski氏が描いた一枚も含まれている。ちなみにRóżalski氏は今回のComic-Con 2018用に、ロバーツ氏が監督した「キングコング: 髑髏島の巨神」、SIE Santa Monica Studioの『ゴッド・オブ・ウォー』、マーベル・コミックの「デアデビル」のキャラクターを組み合わせたアートワークも公開している。

映画「METAL GEAR SOLID」は2012年にアナウンスされたプロジェクトであり、ようやく脚本完成にまで漕ぎつけた段階。キャスティングや公開予定日など詳細については未定となっている。

なおComic-Con 2018ではDCエクステンデッド・ユニバースの新作「Aquaman」、これまでのDC作品にはなかったユーモラスな作風の「Shazam!」、「ハリー・ポッター」の前日譚シリーズ新作「Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald」、「Godzilla: King of the Monsters」、俳優Andrew Lincolnが主人公リック役を降板すると正式に発表したTVシリーズ「The Walking Dead Season 9」トレイラーなどが次々と公開された。CNETThe Vergeが注目トレイラーをまとめているので、映画好きの方はそちらもチェックしておこう。