ゲームメディアGamesIndustry.bizは、UKIE/GfKによる7月14日付けのイギリスの週販チャートを公開した。先週に引き続き首位を飾るのは、Nintendo Switch/Xbox One版が先日発売された『Crash Bandicoot: N.Sane Trilogy(クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!)』。2位には『LEGO The Incredibles』がランクインし、3位には『オクトパストラベラー』が入っている。
『オクトパストラベラー』は今回のチャートでは僅差での3位であったといい、チャートに並ぶタイトルの中では高価な部類に入り(50ポンド)収益では首位相当。さらに単一プラットフォームでのみ発売されたにも関わらず3位にランクインしたことは、好調の証だとGamesIndustry.bizは説明。比較としては『ブレイブリーデフォルト』のほぼ倍売れたといい、『ブレイブリーセカンド』の倍以上売れているという。『ブレイブリーデフォルト』は2014年7月に、全世界累計出荷数が100万本を突破しており、そのうち海外出荷が6割を占めていた。海外で好調だった同作の約倍のセールスを英国で叩き出しているとなると、それ以上の結果が期待できるかもしれない。
『オクトパストラベラー』の好調は、英国に限った話ではない。国内向けには、すでに同作の公式アカウントが一部の店舗の品切れについてのコメントを出しているほか、Amazonではパッケージ版が在庫切れで、7月26日に入荷予定だという。同じくアメリカやフランスのAmazonでもパッケージ版は在庫がない状態だ。予約時点で、日欧米各国で上位にランクインしていたが、その勢いのまま発売後も好調さを維持している。日本の週販チャートやアメリカのNPDなどで出る、具体的な数字を見なければヒットとは断言できないが、発売から1週間経たずして世界規模でヒットの兆しを見せている。
『オクトパストラベラー』は7月13日にスクウェア・エニックスから発売されたNintendo Switch向けRPG。プレイヤーはそれぞれ異なる過去や経歴を持つ旅人8人から好きな人物を選び、使命や願いを果たすため世界各地を冒険する。1人で旅をすることも、ほかの7人と合流し並行してエピソードを見ていくことも可能。Unreal Engine 4で描かれる2D-HDと呼ばれるビジュアルを導入し、クラシックながら現代化されたグラフィックやシステムを楽しめる、懐かしくも新しいRPGだ。こうしたコンセプトが、世界中のユーザーに受け入れられているのだろう。
ちなみに、『オクトパストラベラー』は中国向けに発売されておらず、ローカライズもされていない。これを受けて、英語版をプレイしようと試みている中国人ユーザーがいるようであるが、テキスト量は少なくなく、シェイクスピア作品に絡めた英単語も出てくることもあり、英語に自信のないユーザーがプレイするのは、比較的困難であるとのこと。そのため、WeiboなどSNSでは一部ユーザーが『Octopath Traveler (八方旅人)』を「TEM-8 Traveler(专八旅人)」と名付けていると中国メディアChinese Nintendoが報じている。
Confused by the difficulty of English in Octopath Traveler (八方旅人), some Chinese gamers have nicknamed the game "TEM-8 Traveler" (专八旅人) .
**Test for English Majors-8(TEM-8) is a college level English exam open exclusively to undergrads of English and related majors. pic.twitter.com/Dtdy2ADs12— Chinese Nintendo (@chinesenintendo) July 14, 2018
TEMとは、Test for English Majors(高校英语专业考试)という統一試験の略で、8は8級を意味する。TEMの8級で要求される英単語のワード数は1万3000 。日本の英検1級相当になる、非常にレベルの高い試験だ。この8級の試験勉強をすることで、同時に『オクトパストラベラー』を英語でプレイできるようになろうという取り組みが進められているという。Weiboは中国国内ユーザーを対象とした会員向けサービスなので、真偽や規模は確かめることができないが、『オクトパストラベラー』を遊んでいる、もしくは遊ぼうとしているユーザーが全世界にいることは確かなようだ。