PS4/Xbox Oneコントローラーの振動を10倍に増強させる「MEGA-one」開発中。重さ4kg超の巨大モーターが強烈な振動を生み出す

個人エンジニアJake Middleton氏が、PlayStation 4およびXbox Oneのコントローラーの振動機能を増強させる製品「MEGA-one」を開発中だ。このMEGA-oneを使えば、振動の強さは純正コントローラーと比較しておよそ10倍にアップする。

エンジニアとして17年のキャリアを持ち、NASA向けの衛星用ヒーターや、アメリカ陸軍のためにミサイルなどのデザインを手がけてきたというJake Middleton氏が、PlayStation 4およびXbox Oneのコントローラーの振動機能を増強させるMOD製品「MEGA-one」を開発中だ。素晴らしいゲームの数々を“真の意味で体感”したいと思ったのが開発のきっかけだそうで、このMEGA-oneを使えば、振動の強さは純正コントローラーと比較しておよそ10倍にアップするという。いったいどのような最先端テクノロジーを駆使しているのか、まずは製品のイメージ画像をご覧いただこう。

こちらはPS4のDUALSHOCK 4と組み合わせて利用した際のMEGA-oneのイメージだ。いろいろと気になる点はあるが、まずは各部位の説明から。MEGA-oneは航空機グレードのアルミニウムを使用した外骨格デザインのフレームに、心臓部となる“メガモーター”を搭載。DUALSHOCK 4のサイズと比較するに、およそ⌀10cm x 20cmといったところだろうか。この巨大なメガモーターは、DUALSHOCK 4やXbox Oneコントローラーに内蔵されているモーターと比べて500倍の強さを誇るという(回転数やトルクのことか)。

そして、このメガモーターに取り付けられた工業グレードの“ヤバい(Insane)錘”が強烈かつ深みのある振動を生み出す。サイドに取り付けられているのは、戦闘機のミサイルスイッチと同じ構造のON/OFFスイッチ。カバーを開けてから操作する安全性に配慮された仕組みだが、ただカッコ良さを優先したのかもしれない。ON/OFFスイッチは、LEDが内蔵された丸いプッシュ式のものも手前側に配置されている。どちらかが主電源ということだろうか。これら一式を、図のようにコントローラーにガッチリ固定して使用する。

上に掲載したのは、MEGA-oneのプロトタイプの映像だ。海外メディアGamesRadarの取材に答えた開発者のMiddleton氏によると、重量は10ポンド(約4.5kg)あるそうで、かなりズッシリくる重さだ。そのため、フレーム上部に付けられた穴の開いたパーツにストラップを通し、首から下げて使用することを想定しているという。実際に使用するとコントローラーを持つ手が右へ左へと振り回されかねないほど強い振動が発生するそうで、コントローラーを不意に落として怪我してしまわないためにもストラップは必要になる。残念ながら駆動している様子はまだ公開されていないが、怖いもの見たさを含め、興味のあるところだ。実機が完成し次第、ゲームのリクエストを募ってプレイ映像を公開するとのことだ。

コントローラー自体はDUALSHOCK 4もXbox Oneコントローラーもワイヤレスだが、使用中はMEGA-oneを駆動させるために太い電源ケーブルをコンセントに繋ぐ必要がある。また映像をよく見ると、DUALSHOCK 4の筐体手前に穴が二つ開けられ、コントローラー内部からメガモーターにケーブルが延びている。おそらく、振動用の信号をハックしてメガモーターに伝えているのだろう。そのためか、MEGA-oneはPS4/Xbox One向けのどのゲームにも対応するとしている。MEGA-oneへのコントローラーの付け外しは10秒ほどで簡単にできるとのことなので、製品版ではなにか特別な仕組みを用意するのかもしれない。なお、MEGA-oneのフレームの構造上、コントローラー表面の中心部分に配置されたボタン類(PSボタンやタッチパッド、Xboxボタンなど)にはアクセスできなくなる。

全体的に実に力技な製品だが、Middleton氏によると、エンジニアの仕事では規約や仕様、安全性への配慮にがんじがらめだという。このMEGA-oneではそれらから解き離れて、ただクールなモノを作るために取り組んでいるそうだ。

このMEGA-oneは、現在製品化に向けてKickstarterにて資金を募っている。129カナダドル(約1万1012円)以上の出資で、手持ちのコントローラーにMEGA-oneを取り付けるMod Kitを入手でき、198カナダドル(約1万6903円)以上の出資で、DUALSHOCK 4かXbox OneコントローラーにあらかじめMEGA-oneを取り付けたものが入手できる。Mod Kitには、取り付け方法の解説映像など必要なものは提供される。特別な工具は必要なく、作業に要する時間は5分ほどだそうだ。

本稿執筆時点でキャンペーンは残り41日。初期目標金額9821カナダドル(約84万円)に対しておよそ半分程度が集まっている状況だ。製品の出荷時期は、2019年2月に予定されている。開発者のMiddleton氏が、“人類史上もっともイカれたコントローラーMOD”だと主張するMEGA-one。興味のある方はキャンペーンページで詳細をチェックしてみてはいかがだろうか。ちなみにMiddleton氏は、今回のプロジェクトが成功すれば、こうしたかつてないゲーム体験を実現するMODをビジネスとして展開していくつもりだと今後への意欲を語っている。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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