『The Wild Eight』の開発チームが送る、明晰夢アドベンチャー『Radiant One』7月26日配信へ。開発者ミニインタビュー付き

『The Wild Eight』『DEAD DOZEN』開発陣が送る明晰夢アドベンチャー『Radiant One』が7月26日に発売される。本稿では開発者へのプチインタビューを実施。夢の世界にのめり込んでいく主人公ダニエルの物語や、開発者が作品に込めた想いについて語ってもらった。

極寒地サバイバル『The Wild Eight』の開発チームFntasticが非対称マルチプレイ『DEAD DOZEN』の開発中断を発表したのは記憶に新しい。そんな中、Fntasticは明晰夢の世界を舞台とした新たなアドベンチャーゲーム『Radiant One』のトレーラーを公開した。この記事では『Radiant One』の開発チームへ行ったインタビューも合わせてお伝えしていく。筆者は『DEAD DOZEN』の有志翻訳を行い、開発チームと個人的な交流もあることから、『DEAD DOZEN』を中断して以降、彼らがどのように『Radiant One』に取り組んでいるのか伺うことができた。

https://youtu.be/wtuPcrSdWpo

『Radiant One』は、主人公・ダニエルが退屈な人生とソーシャルメディアに縛られた世界から逃避するため、明晰夢についての本を手にしたことから始まるアドベンチャーゲームである。ダニエルは夢の中で空を飛べるようになるだけでなく、世界を作り出せるという不思議なパワーを操れるようになる。しかし、ある日、ダニエルは不可解な大きな力の作用によって悟りを得るための試練を受ける、といったストーリー展開があるようだ。

『The Wild Eight』と同様、クオータービューのゲームではあるが、よりスッキリとしたグラフィックで描かれる本作の世界はミニマルな3Dデザインからインスパイアされたものであり、全てのプレイヤーが楽しめるような設計を意識しているという。

トレーラーやゲームの説明文を見た限りでは、グラフィックはもちろん、ゲームの世界観や雰囲気も、より幅広いプレイヤー層へ向けられたものであると筆者は感じた。どのようなギミックが存在し、どのようなゲームプレイになっていくのかは判明していないが、カジュアルなアドベンチャーゲームとして開発が進められていると思われる。

『Radiant One』の対応プラットフォームはSteamWindows/Mac、Xbox One、iOS。それぞれ2018年7月26日にリリース予定である。その他プラットフォームでのリリースの可能性については、下のインタビューで伺うことができた。

以下は、開発チームFntasticへ行ったインタビューである。

—―『Radiant One』を通して、プレイヤーに伝えたいことを教えてください。

我々は単なるゲームではなく、哲学のあるゲームを開発しています。本作における夢は隠喩であり、それらを通して、自らの人生観を見失ってしまった多くの人々に対し、ひとつの考え方を届けたいのです。そうした人々の心理的な現実は、実際のプロセスよりも重要になってしまっています。日常生活に急いで、苦しんでいます。どんな仕事でもストレスを感じ、不満を溜めこんでいます。何かを勉強するときも、していない時も。未婚の人は孤独に苦しんでいますが、結婚すると……。君なら、なにが言いたいのか分かるよね?(笑)

つまり、人々は意識的に人生のあらゆる瞬間を楽しんいくことを忘れてしまっているのです。宇宙の歴史からすれば、人生は一瞬のことです。もし、あなたが人生を楽しめていないのならば、このゲームの中に深い意味を探すことができるでしょう。しかし、ゲームの主な目標はまず、プレイヤーに楽しんでもらい、好きになってもらうことです。

――ゲームの目的について教えてください。

『Radiant One』では、現実から逃避しようとする主人公が、夢の世界に入ることで、驚くような能力を得ます。そして、彼はその世界に慣れ、夢が現実となっていくのです。そういった自由により、彼は夢の罠に陥るのです。ゲームの目的は夢の中のコントロールを取り戻し、そこから抜け出すことです。

――『DEAD DOZEN』の開発から学んだことを教えてください。

『DEAD DOZEN』の開発は簡単ではありませんでした。締め切りが厳しく予算も限られていたので、昼夜問わず働いていました。物質的にも道徳的にもダメージを受けましたが、これも良い経験であると思っています。我々は『DEAD DOZEN』の開発における間違いから多くを学ぶことができました。それでも、我々は『DEAD DOZEN』が好きですよ。完璧な状態でリリースすることはできませんでしたが、魂を込めて開発しました。間違いなくして、完璧なものは作れないことも確かです。

『The Wild Eight』という素晴らしいゲームを作り終え、我々は熱意とエネルギーに満ちています。そして、ここに『Radiant One』を紹介するに至ります。『Radiant One』は単なるストーリーを追うゲームではなく、我々の世界観を投じています。各プレイヤーがその意味を考え、楽しんでくれることを願います。

『The Wild Eight』
『DEAD DOZEN』

――『The Wild Eight』と『DEAD DOZEN』はオンラインマルチプレイタイトルでしたが、『Radiant One』でシングルプレイに切り替えた理由について教えてください。

『DEAD DOZEN』を作り終えたことで、マルチプレイタイトルを開発したいという欲求がなくなったことが大きな理由です。我々は『The Wild Eight』のプレイヤーがクエストやストーリーを好んでいたことを思い出し、そこから哲学をもったシングルプレイタイトルを開発することになりました。

――PS4版とニンテンドースイッチ版のリリース予定はありますか?

ぜひ、リリースしたいですね。それらプラットフォームにおけるリリースはSteam、Xbox One、iOS版の成功に依存するでしょうね。

『The Wild Eight』、『DEAD DOZEN』という2つのタイトルを作り終え、開発チームは『Radiant One』という新たなステージへ向かっている。そのストーリーに投じた哲学はどのようにプレイヤーに響いていくのだろうか。

Semapho
Semapho

Semapho(セマフォ)という名前で記事の執筆をしています。ジャンル問わず世界中のゲームをプレイしています。

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