フランスのパブリッシャーMicroïdsは7月9日、『Toki』を11月22日に欧州で発売すると発表した。プラットフォームはNintendo Switch。オリジナルコミックやポスター、ステッカー、Nintendo Switch本体を設置できる木製のミニアーケード筐体が付属するパッケージ版Retrollector Editionも発売予定である。なお、弊誌がMicroïdsに確認したところ、本作は日本語に対応し、日本での発売も計画しているとのことだ。
Toki ? will be available on Nintendo Switch from November 22 and unveils its Retrollector Edition:
– #Toki in physical version
– Toki BD (16p)
– Lithographs
– Stickers
– A mini arcade machine to host the #NintendoSwitch! pic.twitter.com/PnEtnrWifN— Microids (@Microids_off) July 9, 2018
『Toki』は、もともとTADコーポレーションが1989年に開発した、アーケード向けの横スクロール・アクションゲームで、国内では『JuJu伝説』というタイトルで発売された。本作はそのリメイク版だ。当時、国産タイトルながら主に海外で人気を得た『JuJu伝説』は、ファミコンやメガドライブなどさまざまなプラットフォームに移植されることとなり、そのひとつであるAmiga版の開発に携わったPhilippe Dessoly氏が、今回のリメイク版ではアートディレクターを担当し開発を主導している。
本作の主人公は、人間の戦士Toki(ジュジュ)。彼は恋人のMiho(ミホ)とジャングルで平和に暮らしていたが、ある日、呪術師のVookimedlo(ヴーキメドロ)にMihoを誘拐され、さらにTokiは魔法で猿の姿に変えられてしまう。Vookimedloの黄金の宮殿へと連れ去られたMihoを救うため、そして元の姿に戻るためのTokiの冒険が始まる。
猿の姿となったTokiは、口から弾を吐くことで攻撃でき、道中でアイテムを獲得することで弾の数が増えたり、火炎放射に変化したりと一定時間だけアップグレードが可能。敵を上から踏みつけることでも攻撃できる。また、ジャンプ力がアップするスニーカーや、頭部を守るアメフトのヘルメットといった、猿には似合わないユニークなアイテムも登場する。Tokiは攻撃を1発受けると死んでしまうため、次々に現れる敵を慎重に倒しながら進み、ステージの最後に待ち構えるボスを倒すのだ。ステージには、ジャングルや溶岩地帯、古代遺跡のような場所もあれば、水中を泳いで進むエリアもある。公開されたスクリーンショットを見ると、本作は現代的なアニメスタイルにグラフィックを一新するフルリメイクであることがわかる。一方、ステージの構成はオリジナル版を再現しているようだ。
*2009年に公開されたトレイラー。オリジナル版との比較がおこなわれている
本作は、2009年にフランスのインディースタジオGolgoth Studioから発表され、PCとコンソール向けの発売が予定されていた。しかし、パブリッシャーやプラットフォームの変更、またクラウドファンディングをおこなうも中止したりと、発売時期が定まらぬまま時が過ぎていった。この間に同スタジオは、パズルゲーム『マジカルドロップ V』を開発してSteamにてリリースするが、リメイク版『Toki』に関する情報はいつしか途絶えてしまう。
しかし、今年4月にMicroïdsからNintendo Switch向けに本作が発売されることが突然発表され、プロジェクトの継続が確認された。Golgoth Studio自体は現在は存在していないようだが、同スタジオを率いていたPhilippe Dessoly氏は、『Top Spin』シリーズや『Mr. Nutz』などを手がけたPierre Adane氏と組んで開発を続けていたのだ。Steam Greenlightに残された開発初期のスクリーンショットと比べると、クオリティの高いアートなど当時のコンセプトは変更していないことが分かる。こうした紆余曲折を経て今年11月、ようやくリメイク版『Toki』はリリースを迎える。なお、販売元のMicroïdsに確認したところ、本作の日本版のタイトルは『JuJu伝説』とする予定だそうだ。