車サッカーゲーム『ロケットリーグ』開発元が続編を作る計画はないと発言。「Games as a Service」として運営していく姿勢を表明

『ロケットリーグ』には続編の開発予定がなく、ゲームをサービスとして運営する「Games as a Service」として、今後もファンの興味を惹きつけるような取り組みを続ける考えだと伝えられた。また『ロケットリーグ』では3周年を迎える7月9日より特別イベントを、今夏には「Rocket Pass」の配信を予定中。

車サッカーゲーム『Rocket League(ロケットリーグ)』は、今年の7月9日で発売から3周年を迎える。これに合わせて開発・販売元のPsyonixは、ゲーム内での記念イベントを7月9日から23日にかけて実施し、プレイヤーは本作の原型となった『Supersonic Acrobatic Rocket-Powered Battle-Cars』をイメージしたスタジアムでの3対3の試合を楽しめる予定だ。本作はPC/PS4/Xbox One/Nintendo Switch向けに発売中で、プレイヤー数は累計4500万人にのぼる。このような大きな成功を収めた作品であれば、いつ続編が登場するのかと気になるところだが、Psyonixには『ロケットリーグ 2』を開発する考えはないという。

本作のゲームディレクターを務めるScott Rudi氏は7月4日、海外メディアGameSpotとのインタビューの中で、本作にとってもっとも価値のあるものはファンの存在だと述べる。そのためPsyonixは、プレイヤーにとって素晴らしい体験を提供し、ファンの興味を惹きつけ続けることに注力して、さまざまな施策を打ち出してきたという。Rudi氏は、本作は「Games as a Service」つまりゲームをサービスとして運営するスタイルが望ましく、こうした取り組みをこれからも続ける考えだとして、『ロケットリーグ 2』を開発する計画はないと断言している。

『ロケットリーグ』の続編については、Psyonixの幹部Jeremy Dunham氏も昨年同メディアに対してコメントしている。Dunham氏は、続編のリリースはこれまでに築き上げ、さらに成長を続けているコミュニティを捨てるようなものだとし、ファンに続編に買い替えてもらうようなビジネスはしない考えを示していた。この方針は今も変わらないようだ。

現在『ロケットリーグ』ではゲーム本体のほか、ロケットカーなどのDLCを定期的に追加配信したり、クレートを開けるための鍵を販売することなどで収益を上げている(鍵は日本のアカウントでは購入不可)。そして今年の夏には「Rocket Pass」という新たな仕組みを導入する予定だ。Rocket Passには無料と有料(9.99ドル)の2種類があり、プレイヤーはゲームをプレイしてレベルアップすることで、カスタマイズアイテムやプレイヤーバナーなどのコンテンツをアンロックできる。有料のRocket Passの場合は、より多くのコンテンツを入手でき、事前に何がアンロックされるかを確認することも可能になる。

Rocket Passは数か月ごとに新たなものに入れ替えられ、プレイヤーはふたたび購入するかどうか選択することになる(それまでにアンロックしたコンテンツは保持できる)。Rocket Passは、本作を遊べば遊ぶほどコンテンツがアンロックされていく仕組みで、プレイヤーをゲームに繋ぎ止める施策として『フォートナイト バトルロイヤル』のバトルパスによく似ている(関連記事)。1シーズンの具体的な期間はまだ明らかにされていないが、数か月で約1000円という値付けも近い。また無料のRocket Passであっても、本作をプレイし続ける動機となるため、DLCなどの販売に結びつく可能性もありそうだ。

日本時間7月6日から10日にかけて、Steam版とXbox One版にてフリープレイが実施される

『ロケットリーグ』は、今も毎月600〜700万人がプレイしているそうで、続編を作るからといって本作を終息させることはPsyonixにとって大きなリスクだろう。『ロケットリーグ 2』を開発する計画はないというのも納得である。そしてゲームをサービスとして運営するという姿勢は、Rocket Passの導入という新たな施策からも見て取れ、本作は今後どこまで成長するのか興味深い。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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