ポータブル・ゲーミングPC「GPD WIN2」7月7日から国内販売開始。ゲームパッドを搭載し『GTAV』も高画質で動く

株式会社リンクスインターナショナルは7月3日、Windows 10 Homeを搭載する携帯型ゲーム機「GPD WIN2」を、7月7日に発売すると発表した。GPD WIN2は、ポータブルPCとして本体にキーボードを備え、さらにXInput対応のゲームパッドを搭載することが大きな特徴だ。

株式会社リンクスインターナショナルは7月3日、Windows 10 Home(64bit)を搭載する携帯型ゲーム機「GPD WIN2」を、7月7日に発売すると発表した。希望小売価格は8万6184円(税込)で、ビックカメラ・ソフマップ・TSUKUMO・ヨドバシカメラにて販売予定。GPD WIN2は、中国・深センに拠点を置くGPD社が開発したポータブルPCだ。今年1月にIndiegogoにてクラウドファンディングをおこない、初期目標金額のおよそ25倍の出資を集めて製品化された。リンクスインターナショナルは正規代理店として本機を国内販売し、1年間の製品保証を提供する。

GPD WIN2は、ポータブルPCとして本体にキーボードを備え、さらにXInput対応のゲームパッドを搭載することが大きな特徴だ。本体の外形寸法は162mm × 99mm × 25mm、重量は約460g、そして6インチのシャープ製10点マルチタッチ対応H-IPS液晶パネル(1280×720)を搭載する。本体は、Newニンテンドー3DS LLをわずかに大きくしたサイズ感だといえば分かりやすいかもしれない。

SoCには、最大2.60GHzで駆動する第7世代 Intel Kaby Lake Core m3-7Y30を採用しており、GPUは内蔵のIntel HD Graphics 615。メインメモリは8GB、ストレージは128GB(M.2 2242)で、ストレージは背面パネルを開けてユーザーによる交換が可能である。そのほか、Wi-Fi 802.11ac・Bluetooth 4.2に対応し、入出力にはMicro HDMI・USB Type-A(USB3.0)・USB Type-C(USB3.0)・MicroSDカードスロット・ヘッドフォン端子を搭載。ステレオスピーカーも備えている。バッテリーは4900mAh x2で、連続稼働時間は最長で8時間。45分以内で50パーセントの急速充電が可能である(充電端子はUSB Type-Cと共有、電源アダプタ付属)。

本機は、スイッチでゲームパッドモードとマウスモードを切り替えることができ、ゲームパッドモードは前述のとおりXInputとして機能する。キーボードの奥に左右のアナログスティックと、十字キー、ABXYボタンを搭載し、バンパー部分にL1〜3・R1〜3ボタンがある。そして、キーボード上にはXboxボタンやStartボタン・Selectボタンが用意されており、ゲームをプレイするために必要な基本的な操作系はすべて揃っている。バイブレーションモーターが内蔵されているため、対応ゲームであれば振動機能も利用できる。

一方のマウスモードは、通常のPC操作や、ゲームパッド非対応のゲームをプレイする際にキーボードと合わせて利用する。マウス操作は、右アナログスティックでカーソル移動、L1ボタンが左クリック、R1ボタンが右クリック、そして十字キーにスクロールが割り当てられている。また、ディスプレイがタッチスクリーンであるため、スマホやタブレットのようなタッチ操作も可能である。

GPD WIN2では、どのようなゲームがどれくらいのパフォーマンスで動作するのかが気になるところだろう。GPD社はIndiegogoでのキャンペーンにて、以下に掲載したようなグラフを用いて、前モデルGPD WINとの比較をおこなっていた(青いグラフがGPD WIN2のもの)。いずれも解像度は1280×720で、『Dota 2』と『GTA 5』は最高設定。それ以外はエフェクトを低設定にしての結果だそうで、3Dゲームでも設定次第でそこそこfpsが出ていることがわかる。ただし、これはリンクスインターナショナルが保証している数字ではないことは留意しておきたい。

また、筆者が所有するGPD WIN2で確認したところ、たとえば『フォートナイト バトルロイヤル』では、グラフィック品質をオートに設定するとエフェクトはすべて最低あるいはオフに。これでゲーム中は30fps前後という結果となった。一方2Dゲームに関しては、Steam版『Cuphead』や『Dead Cells』『Ori and the Blind Forest』などを試したところ、デフォルト設定のままでほぼ常時60fpsだった。余程重い処理をおこなうゲームでない限り、3Dゲームほど気を使う必要はないという印象である。

ゲームパッド部分の操作性に関しては、左アナログスティック/十字キーとABXYボタンを中心に遊ぶアクションゲームなどであればすんなり楽しめるだろうが、Xbox Oneコントローラーなどと比べるとやや特殊な配置になっているため、FPSなどすべての操作をフル活用するゲームでは、ある程度の慣れが必要になるかもしれない。キーボード操作については、WASDおよびカーソルキーには凹凸が設けられているものの、キーピッチがかなり狭いため、これで素早いゲーム操作をおこなうのはなかなか難しいだろう。

GPD WIN2は、このように性能と操作性を考慮してゲームを選べば、いつでもどこでもPCゲームを楽しめるというほかにない魅力がある。もちろん、通常のWindows 10 PCとしても機能するため、用途はゲームにとどまらない。製品の詳細は公式サイトを確認していただきたい。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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