かつて『アンチャーテッド』シリーズを指揮し、「スター・ウォーズ」作品を率いてきたAmy Hennig氏が、EAを退社しインディースタジオを新設

Naughty Dogにて『アンチャーテッド』シリーズを手掛け、EAにて「スター・ウォーズ」のアクションSDV作品を率いてきたAmy Hennig氏が2018年1月にEAを退社していたことがわかった。現在は独立スタジオを立ち上げ、ゲームづくりの準備を進めている。

ゲームクリエイターAmy Hennig氏は、自身が今年1月にEAを退社したことを、バルセロナで開催されたGamelabカンファレンスにて報告した(Eurogamer)。Hennig氏はNaughty Dogの『アンチャーテッド』シリーズにてクリエイティブ・ディレクターを務めたのち、2014年Electronic Arts(以下、EA)に入社。「スター・ウォーズ」プロジェクト(コードネーム:Ragtag)を率いてきたが、同作の開発を担当していたVisceral Gamesが2017年10月に閉鎖したことを受けて退社に至った。

Hennig氏は、現在も「スター・ウォーズ」プロジェクトに携わっているか、という記者からの問いに対し以下のように述べている:

Hennig氏「いいえ、契約上も、実際の業務上も1月以降はEAで働いていません。EAにとっては、対応が難しかったと思いますよ。みんなからは真っ先に“AmyはまだEAで働いているのかい?”と尋ねられたでしょうし。それで、答えはいつも“ええと、交渉中でして……”」

なおHennig氏が率いていた「スター・ウォーズ」プロジェクトは、当初の構想であったシングルプレイのアクション・アドベンチャーゲームとは違うコンセプトにて、EA Vancouverのもと開発が進められている。「EA Vancouverは、私たちとは違った方向性でプロジェクトを進めています。広いオープンワールドのゲームになると、もう私たちがつくろうとしていたものとは別物になります。みんな私たちがやろうとしていたことに好意的な反応を示してくれましたし、どうにかして蘇らせたいところですが、事情は複雑なのです」。

Image Credit: Electronic Arts – EA Star Wars: A Look Ahead

EAは昨年10月、『Dead Space』シリーズの開発元として知られ、2013年以降は「スター・ウォーズ」作品の開発に取りかかっていたVisceral Gamesの閉鎖を発表(関連記事)。シングルプレイ用のリニアなアクション・アドベンチャーゲームとして制作されていたが、EAとしてはユーザーが求めているプレイ体験を届けるため、長期間にわたり継続して遊べるような作品づくりへとシフトしていく必要があるとの判断に至ったという。同プロジェクトは今後EA Vancouverにて、Frostbiteエンジンを活用した美しいビジュアルや、「スター・ウォーズ」ユニバースの忠実な再現といったVisceral Gamesが築き上げつつあった部分を残しつつ、よりバラエティに富んだ、プレイヤー・エージェンシーの高い体験を届けるためにメスを入れていくとのこと。

2016年に公開されたコンセプトアート

Hennig氏はEA退社後に独立し、スタジオの新設作業を進行中。まだ新しい取り組みについて発表できる段階ではないため、これまで現状を報告する機会がなかったとのこと。今後については、6~8人、多くても15人の小規模なチームづくりを目指しているという。現在はVR事業に取り組んでいる企業の手を借りつつ、VRにどのような可能性があるのか研究を進めている段階だ。物語主導のアドベンチャーゲーム制作に定評のあるAmy Hennig氏。これまでAAA級タイトルの指揮が続いてきた彼女は、小規模なチームに移りどのような作品を生み出すのだろうか。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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