惑星探索オープンワールド『ASTRONEER』12月に正式リリースへ。既存コンテンツの改修を続けてきた2年間の早期アクセスに終止符

インディースタジオSystem Era Softworksは、現在Steamにて早期アクセス販売中の『ASTRONEER』を今年12月に正式リリースすると発表した。『ASTRONEER』はSteam/Xbox One/Windows 10向けに早期アクセスとして配信されている惑星探索オープンワールドゲームだ。

インディースタジオSystem Era Softworksは、現在Steamにて早期アクセス販売中の『ASTRONEER』を今年12月に正式リリースすると発表した。先日放映されたInside Xboxでその計画が明かされたほか、Steamニュースでも告知されている。本作は2016年12月に早期アクセス配信が開始されており、2周年を記念する12月に早期アクセスに終止符を打つことになる。

では、正式版のリリースにあたって、何が追加されるのだろうか。Trelloのロードマップによると、新たなリソースタイプの追加、調査可能オブジェクト追加、新モジュール、新惑星、8人までのマルチプレイ、それに基本的な自動化モジュールも導入されるという。新たにモードを追加するといった大型コンテンツの追加というより、各コンテンツに新規アイテムを追加し、既存の路線の延長を続けていく形だろう。正式リリース後もアップデートは続けられていくといい、家システムやファーミングシステム、天候システムの導入やModサポートが予定されている。なお、本日よりバージョン0.80アップデートが実施されており、新たなチュートリアルが追加。UIの刷新なども段階的におこなわれ、多くのバグが修正されている。

『ASTRONEER』はSteam/Xbox One/Windows 10向けに早期アクセス(Xbox Game Preview)として配信されている惑星探索オープンワールドゲームだ。舞台は25世紀、ゴールドラッシュの真っ最中の時代。プレイヤーは一攫千金を得るために宇宙の辺境へと資源集めの旅へ出ることとなる。地形を変化させて資源を採取したり、施設を建てたり、洞窟を探索して、自分なりに惑星を開拓していく。日本語に対応しているほか、オンラインマルチプレイも可能で、友人と共に探索を進めていく。

『ASTRONEER』は、Unreal Engine 4で描かれるキュートなビジュアル、わかりやすくも斬新なUI、未知なる惑星を探索していく楽しさなどが好評を博し、12月16日という年の瀬での発売ながら、2016年のSteamで売れたゲームトップ100にランクインするなど、爆発的なヒットを記録した。内容はまだまだ未完成ながら、セールスの恩恵を受けてスタッフを大幅増員。新規コンテンツ追加でのさらなる飛躍が予感された。

しかし2017年3月に中核スタッフである3DアーティストのPaul Pepera氏を急死により失う(関連記事)。氏の死の影響が大きかったのかは定かではないが、早期アクセス版配信以降はバグを中心とした既存要素の修正のアップデートをおこなっており、大型アップデートが実施された際もクラフトシステムの大幅変更や基地システムの刷新、乗り物の挙動改善といったコンテンツの改修に終始。早期アクセス直後開発元は「農業システム」「空腹システム」「ストーリーの追加」「飛行機の追加」といったアップデートの構想を打ち立てていたが、結局その要素のほとんどが追加されていない(関連記事)。

もちろんモジュールや乗り物といった多岐にわたるコンテンツは追加されてきたが、別惑星に移住する意味が生まれたり、新たな遊びを導入したりといった、ゲームの目的やモチベーションを増強する大型アップデートはされていないといっていいだろう。筆者も早期アクセス配信当時には本作への手応えを綴りつつ、建築要素の大幅な拡大による遊びなどを期待していたが、現時点では思ったようなコンテンツはでてきていない。結局農業システムや家システムといった新要素は、結局ロンチ後に後回しにされている。

つまり、この2年間は既存要素の改修に時間を費やしていたといえる。半年後に実施される正式リリースアップデートついても、同じような方向性で進められるのだろう。エンドコンテンツは用意されておらず、ゲーム開始直後は惑星は未知にあふれており楽しめる時間が続くが、プレイの幅が狭いゆえにやることがなくなってしまいがちという課題は、早期アクセス配信開始から基本的に変わっていない。ポテンシャルの高さを評されながら、1年半経ってもなお垢抜けない『ASTRONEER』。正式リリースの実装コンテンツは今後も増えていくとのことなので、プレイヤーの動機づけを強化するコンテンツの追加に期待したいところ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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