クトゥルフ神話の影響受ける水没都市探索ADV『The Sinking City』PS4/Xbox One/PC向けに来年3月国内発売決定。ゲームプレイの概要も公開
パブリッシャーのBigben Interactiveは6月13日、ウクライナに拠点を置くインディースタジオFrogwaresが手がける『The Sinking City』の最新トレイラーを公開。さらに、本作の発売日が2019年3月21日に決定したことを発表した。日本語に対応し、PC/PlayStation 4/Xbox One向けに日本国内でも同時発売される。本作は、作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが手がけた「クトゥルフ神話」の世界観から着想を得て開発中の探索型アドベンチャーゲームだ。
『The Sinking City』の舞台は、1920年代のアメリカ・マサチューセッツ州に位置する架空の街オークモント(Oakmont)。ラヴクラフト作品に登場するインスマスやアーカムからほど近い場所に位置するこの街は、不可解な水位上昇に見舞われ、あちこちで浸水被害が発生している。悲惨な状況にあるオークモントを訪れた主人公の私立探偵チャールズ・リード(Charles Reed)は、なぜ水位が上昇しているのか謎を解くため調査を始める。
本作のE3 2018への出展に合わせて公開された上のトレイラーでは、主人公のチャールズが、とあるバーを訪れる場面を描いている。彼の目の前には、顔にタトゥーを入れた傷だらけの男。そして、その男が指で操るかのようにチャールズの身体は宙に浮き、対面の席へと誘導される。男はチャールズに酒をすすめるが、この異様な状況を受けて飲むことを躊躇したところで男はこつ然と姿を消してしまう。それまで血のような液体が壁伝いに流れ落ちていたはずだが、いまはそんな様子もなく、何の変哲もない寂れたバーである。チャールズが見ていたのは悪夢なのか、それとも現実の出来事だったのか。
今回、本作のゲームプレイに関する情報がプレス向けに公開された。本作はオープンワールドとなっており、プレイヤーはオークモントの街を自由に探索することができる。まだ開発中であるため、マップ画面では一部の地域のみが有効になっているが、通りが入り組んだ広大な世界が用意されることがうかがえる。またこのマップ画面では、特定のランドマークへのファストトラベルが可能なようだ。そして、街の中であるにもかかわらずボートで移動する場面が描かれている。オークモントの浸水状況は場所によって異なり、建物の1階部分まで浸かるような被害がひどいエリアでは、移動のためにボートが必要になる。
チャールズが訪れたのは、港の工業地帯にほど近いエリア。本作では、さまざまな事件を追いクエストをこなしながら、浸水被害の謎に迫っていく。この場所でチャールズは、ハリー・エバンズ(Harry Evans)という男の行方を追っている。とある家屋に浸入したチャールズは、あらゆる物を調べ手がかりを探す。入手した証拠は、街の本屋のような場所で、その意味を調べることができるようだ。そして、1階では首のない遺体を発見。ここで画面左下にHUDが表示され、青色のゲージが上昇すると同時に、画面に歪みが生じ、幻覚のようなものが現れる。このゲージはSAN値を表しており、凄惨な出来事や常識では説明のつかない現象に直面すると上昇する。発狂してしまわないよう、プレイヤーは正気を保つことが求められる。
オークモントの住人は、奇妙な顔つきをした人間が多い。超自然的な災害が人々を蝕んでいるのだろうか。それだけでなく、街には異形のモンスターが潜みプレイヤーを襲う。プレイヤーはピストルやショットガンなどで応戦できるが、弾薬には限りがあり、また本作は常に銃で圧倒できるようなゲームバランスではないという。
最後に魚市場を訪れたチャールズは、ひとりの男に話しかける。本作の会話シーンでは複数の選択肢が表示され、これによって情報を引き出していく。そして、チャールズはついにハリー・エバンズについての重要な手がかりを得る。情報どおりに市場の地下へと向かったチャールズは、祭壇のようなものを発見したところで謎の男たちに襲われてしまう。
今回公開された映像やスクリーンショットでは、陰鬱としたオークモントの街の雰囲気が確認でき、1920年代当時の建物の様式を再現した多様なエリアが含まれることも見て取れる。街を探索する中では多くの住人に話しかけ、さまざまな人間関係を構築することになるようで、物語の展開にも関わってくるのかもしれない。本作にはメインクエストのほかサブクエストも多数用意され、30時間ほどのボリュームになるとのこと。またゲームを進める中でのプレイヤーの選択によって、異なるエンディングを迎えることになる。