『Destiny』開発元のBungieが『荒野行動』を展開する中国の大手パブリッシャーNetEaseと提携。約110億円の出資を受けて新規IPの開発へ


Bungieは6月2日、中国の大手ゲームパブリッシャーNetEase(網易)とパートナーシップを結んだことを発表した。BungieのCEO Pete Parsons氏いわく、同社はビジネスモデルから市場への売り込み方まで自分たちでコントロールできる自社パブリッシングに向けた取り組みを進めているとのこと。その大きな一歩としてNetEaseと提携し、1億ドル(約110億円)の出資を受けた(Wall Street JournalのSarah E. Needleman記者によるツイート)。

『Destiny』『Halo』『Myth』など複数のシリーズ作品を手がけてきたBungie。Activision Blizzardがパブリッシャーを担当している『Destiny』シリーズのように、これまでは一度に一つのフランチャイズに注力してきた。だが長期目標としては複数タイトルの並行開発・運営を掲げており、その目標の実現に向けてNetEaseと提携し、金銭面だけでなくオンラインゲーム開発・運営の専門知識の共有という形でも協力体制が築き上げられていく。

NetEaseは、傘下会社NetEase Gamesから『荒野行動』『Rules of Survival』をリリースしているほか、『Overwatch』『World of Warcraft』『Hearthstone』などActivision Blizzard作品の中国版の運営も担当している

つまり、NetEaseとの提携は中国展開だけを視野に入れたものではない。先述したPete Parsons氏は海外メディアのgameindustry.bizに対し、「このパートナーシップの狙いは、NetEaseが持つ専門的知識を持ち込んだり、アイデアを共有することで新しいアイデアを生み出すことです。我々のゲームを中国でパブリッシュするといった、はっきりとした契約を結んだわけではありません。それよりも、ユーザー間の友情やコミュニティの形成をインスパイアするようなゲームづくり・世界設計に対する情熱を共有できる相手であることが、大きな決め手となっています」とコメントしている。また、これまで同社は『Destiny』シリーズの開発・運営に注力してきたが、今後は「新しい世界の創造」に着手するという、新作を示唆する言葉も残している。

複数IPの同時並行を目指しているということで、『Destiny』シリーズが放棄されるわけではない。Bungieの発表文でも、『Destiny』フランチャイズを成長させるため、引き続き長期的な視野を持ってActivisionと協力していくと念を押している。Activision側も海外メディアのPolygonに対し、「今回の発表が、ActivisionとBungieの関係および『Destiny』フランチャイズの未来に影響を及ぼすことはありません」とコメントしている。なお『Destiny』シリーズの未来に関する近々のスケジュールで言うと、『Destiny 2』のイヤー2計画を発表する「Year 2 Reveal」が日本時間6月6日午前1時よりTwitchにて配信される予定だ(公式サイト)。