『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の「始まりの台地」からラスボスを狙撃して倒す名手現る。1100メートル先から狙い澄ます

昨年3月に発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は今もなお遊ばれ続けるタイトルだ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』においては、無数のやりこみが生まれてきたが、今回のやりこみは「ラスボスを始まりの台地から狙撃して倒す」という型破りな挑戦だ。

昨年3月に発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は今もなお遊ばれ続けるタイトルだ。発売当初から、スピードランに限らず、仕掛けを解かずに祠をクリアしたり、トロッコで空を飛んだりといった、本作の自由度の高さを証明するチャレンジが生まれていた。今年に入ってからも、ボウスピンなるテクニックぶっ飛びグリッチが発見され、まだまだ研究や遊び方の余地があることが再確認されている。そんな中、また新たに奇妙なチャレンジに挑むプレイヤーが現れたのだ。なお、以下の文には『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のラストボスに関するネタバレが含まれているので、注意して読み進めてほしい。

 

1100メートル先から狙う

プレイヤーの名はゆきのさん。挑んだチャレンジは「始まりの台地から魔獣ガノンを狙撃する」というものだ。魔獣ガノンといえば、リンクの前に立ちはだかるラストボスの第二形態。通常ではハイラル平原にて戦うことになるが、最序盤に冒険する「始まりの台地」から魔獣ガノンを狙撃し倒すという、常人では思いつかない挑戦をゆきのさんは考案している。

プロセス自体はシンプルだ。まずは、後述する特定の方法で、入手後は行動エリアが制限される光の矢をエリア外へと持ち出す。そして、遠くから魔獣ガノンを狙撃する。ガノンの弱点を超遠距離から狙いすまし、攻撃を加えていく。フィナーレが近づいてきたら、空中へと飛び上がり、ガノン頭部にある目を狙う。こちらを向いたタイミングで目を攻撃していき、目に攻撃が命中すれば無事にエンディングに突入するというわけだ。遠距離からガノンを狙うという奇天烈な発想だけでなく、光の矢の軌道を意識し、遥か彼方にあるガノンの弱点を的確に狙うスナイピングスキルにも特筆すべきものがある。

派手さはないものの発想自体がぶっ飛んだ挑戦であるが、実はこの挑戦は、ゆきのさんのやりこみの集大成ともいえるものだ。というのは、ゆきのさんは「鳥人間チャレンジ」への研究を長らく続けてきた。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のミニゲームのひとつである鳥人間チャレンジ。パラセールを開き、どこまで遠くまでいけるかというのを競う遊びだ。ゆきのさんは前述したトロッコの空中飛行や、爆風を利用した上昇気流を駆使し、最大飛距離である10000メートルの飛行に成功していた。

しかし最大飛距離だけを叩き出しただけでは飽きたらなかったゆきのさんは、鳥人間チャレンジを使いいろんな場所に着地するという挑戦に転向。そうした試みの中で、鳥人間チャレンジ中にハイラル城に着地しガノンと戦えることを突き止める。さらに、あらかじめワープの準備をしておき、この鳥人間チャレンジ中にガノンと戦い、うまくジャンプの判定を調整して第二形態へと突入すれば、光の矢をエリア外に持ち出せるようになることを見つけ出した。鳥人間チャレンジへの異常な情熱と、ハイラル城への猛烈な執着があったからこそ、今回の始まりの台地からの狙撃は生まれたわけだ。今回、この謎の偉業を成し遂げたゆきのさんに話を聞いてみた。

 

狙撃の限界を目指す

ゆきのさんは光の矢の持ち逃げを発見した際に、狙撃対象を探しており、試しにガノンを相手に撃ってみて命中したことをきっかけに、今回のチャレンジを始めたという。狙撃に関する大変さについて訊ねてみたところ、狙撃自体は慣れればそれほど難しくなく、むしろ画面の地味さにひどく憂慮したという。あまりに地味すぎて視聴者に見てもらえないのではないかと思いながらも、公開後は評判も上々で安心しているとのこと。確かに、あらためて動画を見てみると、ガノン自体もガノンの弱点も視認しづらいところがあり、何が起こっているかわからないという一面はある。しかし同時に何かよくわからないが、すごいことが起こっているとなんとなくわかる豪華な絵面になっているのも、今回のプレイの特徴だろう。

派手な絵面で地味な作業が進められる

ちなみに、今回ゆきのさんが挑戦した狙撃の距離は約1100メートル。この記録をどこまで伸ばせそうであるかを聞いてみたところ、ガノンと戦闘できる範囲は2000メートル付近が最大であることがわかっており、その距離から倒すことを現在試みているという。しかし一方光の矢の射程は2000メートルに及ばないようで、さまざまなアイディアを練っているとのこと。ちなみに『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にいいては、距離の概念は決してゲーム内で普遍的ではない。メートルがモノを言う鳥人間チャレンジをやりこんだゆきのさんだからこそ、ゲーム内のメートルの感覚が把握できるのだろう。

前述したように、ゆきのさんは鳥人間チャレンジを利用することで遠方を目指したり、いろんな場所に着地することに成功しているほか、山の標高をはかるというチャレンジにも取り組んでいる。氏のチャンネルでは、『ゼルダの伝説』だけでなく、『ファイナルファンタジーXV』や『モンスターハンター:ワールド』などさまざまなタイトルにおいて興味深い検証動画を公開している。個性的な着眼と徹底的な検証によって、ゲームの新たな発見を提供するゆきのさんの動画を、これを機にチェックしてみてはいかがだろうか。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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