性とゴアに溢れた地獄を描く『Agony』、表現規制解除パッチの配布を取り止め。ただし表現自体はほぼ修正なしのまま発売へ

Madmind Studioは5月29日、同日発売予定の『Agony』について、表現規制を解除する任意パッチの配布を断念する旨を発表した。『Agony』は地獄からの帰還を目指す一人称視点のサバイバルホラーゲーム。「ゲーム史上最も恐ろしい地獄」の創造を目指しているという本作の地獄描写には注目が集まっている。

Madmind Studioは5月29日、同日発売予定の『Agony』について、表現規制を解除する任意パッチの配布を断念する旨を発表した。本作は地獄からの帰還を目指す一人称視点のサバイバルホラーゲーム。プレイヤーは記憶を無くした人間の魂を操作し、死者の世界から逃れる方法を教えてくれるという「赤い女神(Red Goddess)」を探す旅に出る。これまでに公開されたスクリーンショットやトレイラーの多くは過激かつ残虐な暴力・性的表現を匂わせており、「ゲーム史上最も恐ろしい地獄」の創造を目指しているという本作の地獄描写には注目が集まっている。

※5月24日に公開されたゲームプレイ映像。人間や悪魔の身体に乗り移る憑依能力が確認できる

Madmind Studioは今年4月、レーティング機関との相談の結果、成人指定を避けるためゲーム内の表現を抑えるという判断に至ったと報告していた(関連記事)。『Agony』の対象プラットフォームはPCおよび海外PlayStation 4/Xbox One。成人指定レーティングではコンソール版を発売できないため(コンソールメーカーや小売店は基本的に成人指定区分のゲームソフトを扱っていない)、表現緩和の必要に迫られていた。当時はPC版に限り、規制解除パッチの配布が計画されていたが、法的な理由により断念せざるを得なくなったという。

ただし、最終的にはゲーム内のコンテンツのほとんどが修正不要のままレーティングを通過。表現規制により削除・修正されるシーンは、7種類あるエンディングのうちの2種類と、ゲームクリア後にアンロックされる数シーンに限られる。開発陣によると、プレイ体験に大きな影響を及ぼす心配はないとのこと。これまでに公開されたトレイラーやスクリーンショットに映っているシーンはゲームに残る。そのほかゲーム内に含まれる要素として、残虐なセックスシーン、同性愛描写、性器の物理表現、眼球のえぐり出し、心臓のもぎ取り、子供の頭部破裂、殉職者や悪魔の火あぶりなどが列挙されていることから、過激な表現の数々には相変わらず期待できそうだ。またパッチ配布が取り止めとなった代わりに、規制された場面を収録した動画をゲーム発売後の5月30日に公開するという。

『Agony』のPC版はSteamにて5月29日配信予定。日本語字幕・インターフェイスにはリリース時点、もしくはリリース後の早い段階で対応される見込みだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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