忘れ去られた“物”たちが暮らす世界を歩くアクションADV『Forgotton Anne』Steamで発売。ジブリから影響を受けたアニメ表現が光る

スクウェア・エニックスは5月16日、デンマークに拠点を置くインディースタジオThroughLine Gamesが手がけた『Forgotton Anne』をSteamにて発売した。『Forgotton Anne』は、スタジオジブリや今敏監督などの日本アニメ作品から影響を受ける、2Dシネマティック・アクション・アドベンチャーゲームだ。

スクウェア・エニックスは5月16日、デンマークに拠点を置くインディースタジオThroughLine Gamesが手がけた『Forgotton Anne』をSteamにて発売した。価格は2160円で、5月23日までは10パーセントオフの1944円で購入可能だ。海外ではPlayStation 4/Xbox One向けにも発売されている。本作は、スタジオジブリや今敏監督などの日本アニメ作品から影響を受ける、2Dシネマティック・アクション・アドベンチャーゲームだ。

『Forgotton Anne』の舞台は、「Forgotton Lands」と呼ばれる不思議な世界だ。人間世界において、失くしてしまい忘れ去った物や不要だと捨てた物など、誰の記憶からも消えてしまったあらゆる物が、このForgotton Landsに転送されてくる。そして、それらの物は「Forgotlings」と呼ばれる生き物として、この新たな地でまるで人間のように生活を送っている。しかしこの世界にもれっきとした人間がおり、主人公の女の子「Anne」はその一人だ。彼女は、ある理由からForgotton Landsで暮らすことになり、今はこの世界の秩序を守る執行官としての役目を日々こなしている。そんなある日、Anneが管轄する地域にて大規模な爆発騒ぎが発生。Forgotlingsの中には反乱を企てるものがおり、彼らの破壊活動に違いないと踏んだAnneは、被害を受けた地域の調査に向かう。

Forgotton Landsでは、「Anima」と呼ばれるエネルギーをあらゆるものの動力源としている。いわば電気のようなもので、部屋の照明を点けるにも大きな機械を動かすにもAnimaを必要とする。そして、Forgotlingsたちが生き物として存在していられるのも、Animaのエネルギーを身体に蓄えているおかげだ。執行官であるAnneは、Animaをコントロールすることができる「Arca」という特殊な石を身につけており、Animaを吸い出したり、逆に注入したりできる。ゲームでは、たとえばゲートを開けるために、Animaを貯蔵するシリンダーを探し、吸い出してきて機械を起動させるというものがある。Arcaには一定量のAnimaを貯めておくことができ、また注入したAnimaが流れる経路を操作することも可能。これを利用したパズル要素が、本作におけるゲームプレイの基本要素の一つとなる。

本作は横スクロール・アクションゲームであり、『プリンス・オブ・ペルシャ』や『フラッシュバック』『アウターワールド』から影響を受けているという。シンプルなジャンプアクションが基本となるが、道中では道が塞がれている場面が多々あるため、AnimaとArcaを駆使して道を切り拓いたり、迂回路を探したりする。またゲームを進める中では、Anneの行動範囲を広げる装備も登場する。

また、ゲーム中にはForgotlingsらとの会話シーンも数多く発生する。会話の中では、Anneの返答を2択で選択する場面があり、その内容によって会話の流れが変わるなどゲームに影響を与える。また、Forgotlingsからこの不思議な世界の謎を聞き出すこともできるという。ゲームでは、Bonkuという名の年配の男性も重要なキャラクターとして登場する。彼はAnneの上官的な立場にあり、彼女が父親のように慕う人物でもある。二人はふたたび人間世界に帰るという共通の目標を持ちながら、このForgotton Landsでの日々を送っている。

冒頭で述べたように、ジブリアニメなどから影響を受けている本作では、全編が手描きアニメ調のグラフィックとなっている。カットシーンではまさにアニメを見ているような雰囲気だが、ゲームプレイシーンとの境目がなく、それぞれがシームレスに移行する点は本作の見所の一つだろう。また、ギレルモ・デル・トロ監督の映画『パンズ・ラビリンス』などのダークファンタジー・メルヘン作品から影響を受けて構築されたという、忘れ去られた物たちが生きる世界と、そこで暮らす人間という設定も本作の大きな魅力となっている。

【UPDATE 2018/5/16 22:50】
弊誌が本作の開発元ThroughLine GamesのCEO Alfred Nguyen氏にうかがったところ、本作の日本語への対応についてはとても興味を持っていて、日本語ボイスで聞きたいと思っているくらいだが、少なくとも字幕だけでもローカライズできないか現在模索しているところだそうだ。また、もし日本語に対応できたなら、コンソール版の国内発売についても検討するだろうとのこと。さらに、Nintendo Switchでの発売の可能性についてもうかがったところ、スタジオのスタッフはみなNintendo Switchの大ファンであるため、こちらも前向きに検討しているところだという。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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