武器製造シミュレーションゲーム『Gunsmith』開発中。『Factorio』の如く生産ラインを築いた先にあるのは、製造者か死の商人か

今回のIndie Pickで紹介するのは『Gunsmith』。武器製造工場のオーナーとなり、銃火器などを製造/販売する経営シミュレーションゲームだ。『Gunsmith』は、『Factorio』が如くラインを構築し、兵器を量産するのだ。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第540回目は『Gunsmith』を紹介する。

本作は武器製造工場のオーナーとなり、銃火器などを製造/販売する経営シミュレーションゲームだ。空っぽの工場内に各種製造機器やベルトコンベアを設置して、生産ラインを作り上げよう。そして受注可能な顧客の注文を探し、指定されたものを納期までに生産して納品する。こうして収入を得ながら自分の工場を大きくしていくことが目的となる。もちろん最初から何でも作れる訳ではない。新たな製造機器をアンロックするための技術研究や、より破壊的な製品の製造許可を得るためのライセンスの取得も重要だ。他にも非合法な注文を請けたり、政治分野に干渉して対立を煽ることにより武器の需要を高めたりといった危険な匂いのする要素もあるようだ。

小さな工場を購入し、軍用品製造ライセンスを取得したらビジネスの始まりだ。最初は戦闘服やバックパックといった当たり障りのないものしか生産することが出来ない。まずは顧客の注文を確実にこなして、新たなライセンスを取得できるよう名声を高めることが当面の目標となるだろう。注文された品は、原料となる素材を生産ラインへと投入し、複数の工程で加工することにより完成する。当然ながら必要な原料は製品ごとに異なる。例えば戦闘服ならば原料として布が、ブーツならばそれに加えてプラスチックが必要だ。これらの原料は自分で生産することは出来ず、マーケットで購入することになる。原料を買い込みすぎて赤字になった!などということにならないよう注意しよう。

原料を購入したら、次は生産に必要となる機器を工場内に設置していこう。先述のとおり、生産をする上では原料に複数の加工を行わねばならい。例えばブーツならば、布を型通りに裁断した後に縫い合わせ、ファスナーを取り付ける。それと並行し、プラスチックを熱処理後に成形してソールを作り、先のパーツと縫い合わせれば完成となる。これらの加工が自動で行われるよう、裁断や成形機器などをベルトコンベアで繋ぎながら配置していこう。

必要な工程を順に経るようになっていれば、各機器は自由に配置することができる。ただ留意したいのは、工場のスペースは有限で、さらには稼働機器が増えるほど工場の一日当たりの支出も増えていく点。たとえばパーツの縫い合わせは複数の生産ラインで共有するなどし、無駄のない効率的な生産ラインを作り上げよう。ちなみに製品の生産に必要となる原料や工程は、COOKBOOKというゲーム内のレシピ集でいつでも確認することができるので安心だ。

原料・設備の購入や、生産ライン稼働による支出に加え、新たな製造機器をアンロックするための技術研究、はては工場のスペース拡張など何かと物入りな本作。しかし物入りな要素はこれに終わらない。たとえば、プレイ中には金欠になることもあるだろう。そんなときは非合法な依頼にも目を向けてみる。非合法な注文をしてくる依頼人は匿名を好み、違法な技術を利用した製品の製造を求めてくるが、一般客と比べれば各段に金払いは良い。

ただし彼らと契約する場合は、輸送手段にも注意を払う必要がある。いかんせん違法な品なので、普通に輸送すれば当局に差し押さえられてしまうからだ。こちらは直接的なアプローチであるが、あるいは政治分野への取り組みを続けることでグローバルな状況を操作し、民族間の対立などを後押しして武器の需要を増やすこともできる。自らの手を汚さず市場を活性化させる、間接的な試みだ。非合法な手段もいとわない死の商人となるか、真っ当な武器製造業者として世界に名を馳せるか。すべてはオーナーであるプレイヤー次第だ。

『Gunsmith』の対象プラットフォームはPC(Steam)で、2018年5月26日に早期アクセスでの販売開始を予定している。

Kouzou Suzuki
Kouzou Suzuki

子供の頃からアイディア勝負の変わったゲームを好む。気が付くとインディーゲームの魅力に取り憑かれており、人々を同じ沼へと引きずり込むべく記事の執筆を開始。

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