発売まで残り1か月に迫った『DARK SOULS REMASTERED(ダークソウル リマスター)』。フルHD表示やPC/PlayStation 4/Xbox One版での60fps対応など最新ハードウェア向けに最適化されたグラフィック、オンラインマルチプレイの仕様変更、合言葉マッチングの搭載などが注目されている。そんな中、4月に入ってから明かされた「鍛冶屋バモスの横に篝火が追加される」という変更点を懸念視する声が、コミュニティの一部より挙がっている(Redditスレッド)。
鍛冶屋バモスは地下墓地の奥底で出会うNPC。火継ぎの祭祀場から地下墓地に入り、螺旋階段を降った先で黙々と鍛冶屋業に励んでいる。人間性の所持数に応じて攻撃力が補正される混沌装備の進化に欠かせない存在であるが、会いに行くのがとにかく面倒。ゆえに篝火の追加は本来歓迎すべき変更点である。だがRedditユーザMikeManGuy氏は、篝火の追加が初心者にとって取り返しのつかない罠になりかねないと指摘している。オリジナル版で屍の山を築いた難所、車輪スケルトン広場の真横に位置しているからだ。
※YouTubeユーザMittchi氏が2011年に公開した鍛冶屋バモスへの行き方ガイド。初見では分かりづらい場所に潜んでいるため、オリジナル版の発売当初はこうしたガイド動画が複数投稿された
本作のゲーム序盤では、城下不死街に向かうか、地下墓地に向かうか、複数のルートが用意されている。ただし地下墓地は最初に挑むエリアとしては難易度が高く、ほとんどのプレイヤーは城下不死街ルートを選ぶと推測される。仮に地下墓地に進んだとしても、敵の強さから「こちらに進むべきではない」と察してルート変更することだろう。そもそも初心者がいきなり鍛冶屋バモスのもとに辿り着くこと自体レアなケースのはず。それに、好奇心に駆られてバモスを発見し、そのまま車輪スケルトンの広場で無残にひき殺されたとしても、オリジナル版では上層の篝火に戻るだけだった。
だがオリジナル版のリリースから7年半が経ち、『ダークソウル』が高難度な作品であることは、本作をプレイしたことがないゲーマーにまで知れ渡っている。序盤からいきなり地下墓地に入って倒されようと、「こういう難しいゲームなんだろう」と受け入れて突き進む人が現れるかもしれない。そして偶然なり、他プレイヤーのメッセージに導かれるなりしてバモスを見つけたとしたら、そこで篝火を見つけたとしたら、躊躇なく休息を取ることだろう。車輪スケルトンの広場に隣接していると知らなければ尚更だ。
篝火で一安心してから部屋を出ると、無数の骸骨たちが猛スピードで突進してくる。初心者であれば高確率で命を落とし、バモス横の篝火に戻される。帰還の骨片を使っても地上には戻れない。
王の器を持っていないので転送も使えない。行きはよいよい帰りは怖い。上に戻るためのハシゴを見つけるまで、ひたすら死に続けることになる。難所の近くに復活地点が追加されるのは嬉しい知らせだが、難所から抜け出せないようにするトラップでもあるというわけだ。
こうした意見に対しRedditでは、序盤から転送機能が使えるような仕組みを採用することや、深淵の篝火と同じ仕様にすることで車輪地獄を回避できると提案している。深淵の篝火は、王の器を手に入れる前に(転送機能がアンロックされる前に)四人の公王を倒した場合のみ、救済措置として転送機能が使えるようになる。この仕様を鍛冶屋バモスの篝火に適用すれば万事解決というわけである。
※YouTubeユーザTimeSproutGaming氏が投稿した、王の器入手前に四人の公王を倒す様子
そもそも序盤から地下墓地の奥底まで進む勇気のあるプレイヤーであれば、なんとか上層まで這い上がってこれるだろう。それに、難しすぎて出られないという状況は地下墓地に限らず陥り得ることであり、例えば上述したRedditスレッドではinpursuitofknowledge氏が病み村で似たような経験をしたと述べている。『ダークソウル』では序盤でファストトラベルができないからこそ、苦難を乗り越えて火継ぎの祭祀場に戻れた時の喜びは格別のものになる。鍛冶屋バモスの篝火が初心者にとって罠だったとしても、それはそれで『ダークソウル』らしい洗礼のひとつとなるだろう。
グラフィックに限らずオリジナルからの変更点が注目される『ダークソウル リマスター』。希望小売価格はパッケージ版が4800円(税別)、ダウンロード版は4300円(税別)。PC/PlayStation 4/Xbox One向けには5月24日、ニンテンドースイッチ向けには今夏発売予定となっている。