『スカイリム』にハイロック地方とハンマーフェル地方を追加する大型Mod「Beyond Skyrim: Three Kingdoms」のアナウンス動画が公開
『The Elder Scrolls V: Skyrim(スカイリム)』に第四紀(Fourth Era)のタムリエル大陸を再現する大型Mod「Beyond Skyrim」の新たな映像が公開された。「Beyond Skyrim」にはタムリエル大陸の地域別に7つのプロジェクトがあり、過去にも弊誌ではモロウウィンド地方を舞台にした「Beyond Skyrim: Morrowind」のトレーラーについてご紹介したことがある(関連記事)。今回公開されたトレーラーは、その7つのプロジェクトのひとつである「Iliac Bay: Tower of Dawn」から提供予定の最初のMod「Beyond Skyrim: Three Kingdoms」の初公開映像となる。
「Iliac Bay: Tower of Dawn」のタイトルにある“Iliac Bay(イリアック湾)”はタムリエル大陸の西端、ハイロック地方とハンマーフェル地方の間にある湾の名称だ。「Iliac Bay: Tower of Dawn」ではそのハイロック地方とハンマーフェル地方の両方を『スカイリム』のゲーム内に再現することを目的としており、『スカイリム』本編同様に第四紀の時代が描かれることになっている。
舞台となるハイロック地方とハンマーフェル地方について、簡単にまとめておこう。ハイロックはエルフの血の入った魔法に適性を持つ種族であるブレトンの故郷として知られる。一方ハンマーフェルは、タムリエル大陸西方のヨクーダ大陸から入植してきたレッドガードが支配する地域である。イリアック湾では、第三紀402年から404年にかけてハイロックのダガーフォールとハンマーフェルのセンチネルの間でベトニー戦争があり、多くの犠牲を出している。第三紀417年には『The Elder Scrolls II: Daggerfall』で描かれた「西の歪み」現象が起こり、イリアック湾周辺地域が4つの勢力に集約されている。
『スカイリム』の時代となる第四紀のハンマーフェルでは、当初フォアベアーズとクラウンズの二つの勢力が対立し内戦状態となっていた。第四紀42年には、アルドメリ自治領の迫害から逃亡したアルトマー(ハイエルフ)の反体制派がハンマーフェルのセンチネルへ避難するも、アルドメリ自治領のエージェントによって全員が殺害されるという事件が起こっている。両陣営ともに壮絶な魔法を使った戦闘は“Night of Green Fire(緑火の夜)”事件として歴史に記されている。第四紀175年には、帝国とアルドメリ自治領との間に白金協定が結ばれ、ハンマーフェル南部は帝国によってアルドメリ自治領に譲渡される。
対立していたフォアベアーズとクラウンズはそろってこれに抵抗し、手を焼いた帝国はハンマーフェルを放棄。それにより5年間にわたりハンマーフェルとアルドメリ自治領は戦争状態となる。第四紀180年、レッドガードは戦いに勝利し、アルドメリ自治領はハンマーフェルから撤退。ストロス・エムカイ条約が結ばれている。「Iliac Bay: Tower of Dawn」の舞台となる第四紀200年代、ハンマーフェルではフォアベアーズとクラウンズが崩壊した後も内戦が続いている。帝国領を離れたハンマーフェルと対照的に、ハイロックは依然として堅硬な帝国領として存在している。
「Iliac Bay: Tower of Dawn」の開発チームによると、「Beyond Skyrim: Three Kingdoms」はハイロックの東にあるファールン、ジェハンナとハンマーフェル西海岸沖に位置するアビシアン諸島をカバーしているとのこと。ファールンは『エルダー・スクロールズ・オンライン』では、ロスガー最北部に位置するファールン部族の要塞で、オークの集落として描かれている。ジェハンナは『The Elder Scrolls: Arena』に登場する、スカイリム地方の西北端に隣接する都市。今回の動画からは道路までレンガが敷き詰められた街並みや、怪しげな遺跡が見て取れる。アビシアン諸島とは、地図で確認可能な限りでは『The Elder Scrolls IV:Oblivion』で描かれたアンヴィルの港に面したアビシアン海に点在する、ストロス・エムカイ周辺の島々のことと思われる。ゲーム内に「アビシアンの海賊」という書物があるぐらいなので海賊の登場なども期待したいところだが、動画ではハンマーフェルの様式に従い中近東風の建物や砂漠が描かれている。
開発チームによると、各エリアにはフルボイスのNPC、新たな冒険と探索可能なロケーション、新たな魔法と宝物、装備品が用意されているとのこと。リリース日は決定していないものの、進捗状況については定期的に最新情報を提供していくとしている。