Steamを運営するValveが、最近海外を中心に出回っている「Steam Machines」の展開が終了するのではないかという噂に対し、Steamフォーラムにて公式にコメントしている。「Steam Machines」はLinuxをベースとした独自OS「SteamOS」を搭載したゲーミングPC。「Steam Machines」の購入リンクがトップページから消えているということもあり(関連記事)、Linuxサポート自体を終了するのではないかという危惧がフォーラムにて強まっていた。
こうした噂に対しValveのスタッフであるPierre-Loup Griffais氏は、Valveが「Steam Machines」のリンクをトップページから撤去した事実を認めた。Griffais氏は飛ぶようには売れていないとしながらも、当初から掲げるオープンなゲーミングプラットフォームを目指す志は変わっていないとコメント。Linuxこそがゲームとアプリケーションによってよきものであり、それはSteamでない場所も含めて、ユーザーに良い体験を提供すると断定。今後もサポートを続けていくことを明言している。
その一環として、Linux向けの開発について多くのフィードバックを受け、グラフィックAPIであるVulkanのサポートをさらに強化していくことを明かしている。2月にはVulkanがMacOSおよびiOSをサポートしたことを挙げ充実しつつあることを強調。一部のハードウェア向けシェーダー先読み機能「Shader Pre-Caching」をVulkan製のアプリケーションに対応させ、読み込み時間を削減する計画があることも告知。Linuxのプレイヤー/開発者環境を向上させるために今後も惜しみなく努力していくとも語っている。
「Steam Machines」の今後に関して、はっきりとした回答はなかったものの、同マシンおよびLinuxへのサポートは続けていくことが明言された形だ。ValveのCEOのゲイブ・ニューウェル氏は、以前よりとりわけWindowsに対して嫌悪感を示しており、オープンソースのOSであるLinuxがPCゲーミングの未来と主張してきた(Ars Technica)。ただしいくらValveがプラットフォーマーとして、そしてゲーム会社としてLinuxをサポートしていたとしても、そのほかの多くのデベロッパーがサポートしなければメインストリームへ食い込んでいくことは難しい。まだまだその道のりは険しいが、Valveはこうした姿勢を続けていくのだろう。