Steam向けゲーミングPC「Steam Machine」は展開終了か、Steamストアのトップページからリンクが消滅

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SteamOSを搭載するゲーミングPC「Steam Machine」の展開が終了するのではないかという報道がPC Gamerを中心に海外メディアにて出回っている。発端となったのはSteamストアトップページからのリンクの消滅だ。Steamトップページのハードウェアタブからのリンクがなくなっており、存在するのは「Steamコントローラ」「Steamリンク」「HTC Vive」のみ。「Alienware Steam Machine」などのストアページにはアクセスできるが、販売ページに誘導するリンクは消え「Coming Soon」と表示になっている。また各ストアにおいても一部を除き販売がおこなわれていない。Valveが同マシンの販売を、収束させる方向で進んでいるのは間違いなさそうだ。

Steam MachineとはLinuxベースの独自OS「SteamOS」を搭載したゲーミングPCだ。Windowsは搭載されておらず、Steamのゲームを楽しむことに特化したハードウェアとなっている。決まった規格は存在しておらず、さまざまなサードパーティーによりさまざまなスペックのものが発売されている。代表的なものとしてはDELLが販売していた「ALIENWARE Steam Machine」があげられるだろう。前述したように、こうしたメーカーの販売も縮小傾向にある。

「Steam Machine」は2013年9月に正式発表された、ValveのCEOであるゲイブ・ニューウェル氏が長年構想していたマシンであり、当初は2014年の半ばの発売を予定していたが、紆余曲折を経て2015年11年に最初のマシンが発売された。発売までも前途多難であったが、発売後も販売から一か月でSyberの「Steam Machine」が40%という破格のセールを実施したことが話題を呼んだ。

そもそも発売当初から「Steam Machine」に対しては海外メディアから疑惑の視線が注がれていた。LinuxベースのOSであるがゆえに対応タイトルが大きく制限されていることが当時から取り上げられていた。そしてこうしたOSの問題により、同じスペックでもWindows 10でゲームを動作させた方が、パフォーマンスが高くなるという数字が出ていたのだ(関連記事)。

さらに発売の翌年である2016年6月にはArs Technicaが、「Steam Machine」に同梱されている「Steam Controller」の販売台数が50万台を突破したというValveの発表を受け「Steam Machineの販売台数が50万台を下回っているという裏付けである」と報じるなど、メディアからの風当たりの強さが目立っていた。Ars Technicaの推測が正しかったのか定かではないが、それ以降は大きく話題にのぼることさえもなくなった。スペックのモデルチェンジをしなければ、動かないゲームは増える一方。今回の販売縮小は、時間の問題だったのだろう。

同時期に発売された「Steamリンク」「Steam コントローラ」は依然として販売中。ともにSteamセールにあわせて定期的な大規模なセールが実施されている。特に値引率の高い「Steamリンク」は、昨年のオータムセールでは90%オフの734円で販売されていた(関連記事)。どちらのデバイスも一定の評価を獲得しているが、Valveの規模、そして期待に沿うような成功であったかと言えるかはわからない。なおValveは現在HTC Viveを共同開発し販売中。プラットフォーマーとして大きな成功を収めているValveをもってしても、ハードウェア販売を成功させるというのはそう簡単ではなさそうだ。

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