『レインボーシックス シージ』3年目にしてSteam版ユーザ数が過去最高記録を更新。「アウトブレイク」イベントの効果か
運営3年目に突入したPC版『レインボーシックス シージ』の同時接続ユーザ数が3月7日に約17万6000人を記録し、本作における過去最高値を更新した(SteamCharts)。Steam全体の歴代記録では8位となる数字(ひとつ上の7位は『No Man’s Sky』の21万2321人)。現在の同時接続ユーザ数ランキングでは『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』『Dota 2』『Counter-Strike: Global Offensive』の定番タイトルに続く4位をキープしつつある。
本作では新シーズン開幕に合わせてプレイヤー人口にブーストがかかることが多く、今回のイヤー3シーズン1「オペレーションキメラ」開幕後にはピーク時同時接続ユーザ数が40%近く増加している(2018年2月のピーク時は約12万5000人、2018年3月は約17万6000人)。2月にはフリープレイ期間が設けられており、新規ユーザの数は通常よりも多かったはず。そこからさらに数字を伸ばしたことから、新シーズンの注目度の高さが窺える。
比較対象としてイヤー2シーズン4が開幕した2017年12月は、ピーク時同時接続ユーザ数が前月比1.3%増(平均ユーザ数は約40%増)、イヤー2シーズン3が開幕した2017年9月はむしろ前月比で5%ダウンしていた(平均ユーザ数は7.4%増加)。当時からジリジリと平均ユーザ数を増やしてはいるが、「オペレーションキメラ」のようにピーク時の数字が40%近くも伸びるというのは珍しい。やはりゾンビパニック系の期間限定イベント「アウトブレイク」の効果が大きいのではないだろうか。
「アウトブレイク」は4月3日までの期間限定で開催されている新しいコンテンツ。謎の生命体に寄生された感染者たちを相手取るCo-op対応のゲームモードである(関連記事)。感染者の大群が押し寄せる中、人命救助、拠点防衛、敵地の爆破といったオブジェクティブをこなしていく『Left 4 Dead』スタイルのゲーム体験を味わえる。テクノスリラー作家「トム・クランシー」の名を冠した作品に、ゾンビのようなクリーチャーを登場させるという大胆なアプローチを取っている。
ただし『レインボーシックス シージ』オペレーター陣のアビリティを駆使した協力プレイ、環境破壊要素によりクリーチャーが壁を突破してくる混沌とした防衛戦など、本作の特徴をうまくゾンビパニック・ホラーに生かしている。新しいゲームモードであるがゆえに新規ユーザでも比較的遊びやすく、本作のゲームメカニックに慣れるための導入としての役割も期待できる。
海外ではイヤー3開幕に合わせた価格改定(実質上の値上げ)がちょっとした騒動になったが(関連記事)、最終的にはスタンダード・エディションの内容・価格を据え置くことで落ち着いた(もともと割増価格であった国内版は全体的に値下げされている)。さらにスタンダード・エディション以上のエディションでは初期オペレーター20体と各種アタッチメントが始めからアンロックされるようになり、低価格版スターター・エディションの初期アンロック数も4体から6体に増えるなど、新規ユーザにとっても遊びやすい環境が整いつつある。
本作はオペレーターの特性、チーム構成、マップ構造など覚えるべきことが多く、こうした新規参入のハードルを下げるための施策は、長期運営を図る上でも重要な試みだろう。そしてすでに、アクティブ・ユーザ数の増加という形でその効果が現れ始めている。イヤー3では各種オペレーターのバランス調整、マップの抜本的な見直しを図る「Map Rework」と部分的調整を進める「Map Buffs」、プロリーグ向けの「Pick & Ban」システム導入などゲームの成熟化を目標としたアップデートが計画されており、息の長いタイトルとしてさらなる躍進が期待できそうだ。